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【広報ふじ平成7年】富士の民話あれこれ

お茶ばあさん
 「お茶ばあさん」は、観音菩薩(ぼさつ)の化身と言われ、せきに悩む人々が、お茶を供えてお祈りすると、たちまちせきが治ると言われています。
 今回は、お茶ばあさんのお墓を祭っている福寿院(下横割)の横井はまさんからお話を伺いました。

 今から約400年もの昔、成安寺(じょうあんじ)の逸道禅師(いつどうぜんじ)というお坊さんは、ぜんそくが持病で隠居し、福寿院に住んでいました。ある日、せきに悩むおばあさんがやってきて、「おこもりして、お祈りしたい」と禅師にお願いしました。
 おばあさんは、本堂にこもって御本尊にお茶をささげ、お香をたき、飲み食いもせず一心に祈り続けました。すると、どうでしょう。間もなく禅師のぜんそくも、おばあさんのせきも、すっかり治ってしまいました。
 ところが、おばあさんはその晩、どこともなく消えてしまいました。禅師は、おばあさんは観音菩薩の化身に違いないと思い、それからの供養を怠りませんでした。
 禅師が亡くなって100年余り過ぎたころ、横割の百姓、長右衛門(ちょうえもん)に1人の姉がいました。この人がある日、重い病気にかかりました。そして意識がなくなった後、福寿院の住職のまくら元にあらわれ、「私は、逸道禅師のぜんそくを治したおばあさんの化身です。死んだ後は人々のせきを治します。どうか、私の好きなお茶を供えてください」と告げて、息を引き取りました。
 丁寧な葬式を済ますと、どこからか「我は、世の人々のせきの病を救おうぞ」という声が聞こえてきました。その後、せきに悩む人が墓にお茶を供えてお祈りすると、せきがすっかり治るようになったということです。


横井はまさん(下横割)
- 写真あり -
 以前は、清水や三島からお参りに来る人がいたほど、せきが治ると言われています。毎年8月7日は、お祭りなんですが、その日は、近所の人だけでなく、わざわざ柏原(元吉原)からお参りに来る人たちもいるんですよ。皆さんには、ぜんそくに効くと言われているお札を渡しています。
- 写真あり -
( 写真説明 ) お茶ばあさんのお墓。「咳癒院智空禅尼(がいゆいんちくうぜんに)」と刻んであります。
添付ファイル
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