ロゼシアターで「心に刻むアウシュヴィッツ展」を開催した
松下吉美(よしみ)さん (比奈)
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発端は、ごく日常的なことでした。8月のある日、食事の支度をしていると、テレビから一つの言葉が耳に入ってきました。その言葉は「アウシュヴィッツ」。数百万人の人が虐殺された、第二次大戦中の強制収容所のことです。松下さんの心の中になぜかひっかかって、気づいたときは受話器を握っていました。
電話をかけた相手は、アウシュヴィッツ展を開く会の全国事務局。話の中で松下さんは、今までアウシュヴィッツ展は全国各地で開催されており、次は三島市で開催する計画を立てていたものの、適当な場所がないために計画を断念することになった状況を知りました。
そこで「それなら富士市にロゼシアターというすばらしい場所がありますよ」とアドバイスしたことが、富士市でアウシュヴィッツ展を開くきっかけとなり、いつの間にか実行委員長に。
「私は楽天家なので、まあ何とかなるだろうと思っていたけれど、大間違い。最初に協力ボランティアを募集したら、全く集まらなくて…。結果的に100人以上のボランティアが集まりました。ほとんど仲間に助けてもらいましたね」
アウシュヴィッツ展には、多くの人が来場しました。
「富士市にも、平和を願う人が多いことを実感しました。だれもが戦争のない平和な社会を望んでいます。今まで私たちが知らなかった戦争の悲劇を、展示されたアウシュヴィッツ収容所の犠牲者の遺品や写真などから感じてくれたらと思います。
私も今まで、自分の子供と、戦争や平和について話し合ったことはありませんでした。来場してくれた人たちが、これを機会に親子で平和について話し合ってくれたらいいですね」