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【広報ふじ平成7年】富士の民話あれこれ

愛鷹山の天狗
 昔、愛鷹山(あしたかやま)には、いろいろな天狗が住んでいたということです。この天狗について、数々の昔話が言い伝えられています。
 今回は、この愛鷹山の天狗のお話を紹介します。

 昔、愛鷹山には、たくさんのイノシシがいました。そして、冬になると里までおりてきて、農作物を食い荒らしていました。
 ある日、村人たちは、大勢で山の奥までイノシシ狩りに行きました。ところが、イノシシを追いかけているうちに日は落ち、あたりは暗くなってしまいました。仕方なく村人たちは、山小屋で昼間とったイノシシを料理し、酒盛りを始めました。
 鍋を火にかけていると、急にいろりの火が吹き出し、鍋の肉がクタクタ音を立てて煮え始めました。みんなか不思議がっていると、小屋の戸が開き、ぬうっと大きな毛むくじゃらの手が出てきました。
 みんな、びっくりして小屋の隅てガタガタ震えていると、「おんにも、くりょう」と、とても人のものとは思えない声で言うのです。「おれにもイノシシの肉をくれ」と言っているのですが、恐ろしくて、だれも掛けないでいると、一人の元気のいい若者が、鍋の中で煮えたぎっているイノシシの肉を、その大きな毛むくじゃらの手に載せました。
 すると、とても大きな声で 「熱い」と叫んで、飛んでいってしまいました。この大きな声が山中にこだまし、しばらく静まりませんでした。やがて、もとの静かな山に戻ると、村人たちは「今のは天狗だな」と話し合いました。熱い肉を手に待った天狗は、これにこりて二度と山小屋付近に出なくなったということです。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 愛鷹山
( 写真説明 ) 愛鷹山系にある須津山神社の御神木
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