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【広報ふじ平成6年】富士の民話 あれこれ

禁酒の神様 木の宮さん
 富士東高校の西側に小高い森が見えます。これが「木の宮神社」です。この神様は、厄よけの神様として知られ、禁酒の神様でもあります。
 今回は、社中(木の宮神社を守っていこうと集まった有志)総代の荒川一郎さんから、木の宮さんにまつわるお話を伺いました。
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 木の宮さんは、神々の中でも美男子で利口者でしたが、どうも働くのが嫌いで毎日大酒を飲んでいました。
 ある日のこと、木の宮さんは悪友を誘い、晩秋の空にくっきり浮かぶ新雪の富士を仰ぎ、狩りに行きました。結果は上々で、その夜の酒宴は、いつになく盛んでした。
 何時間か過ぎ、酔いつぶれた木の宮さんの耳元をくすぐる者がいました。うるさいので払いのけたのですが、また耳をつつきます。木の宮さんが怒ってはね起きると、足元に一羽のホオジロがいることに気づきました。さらに周りを見渡すと、一面が火の海になっています。木の宮さんたちの不注意な残り火で、森や草原は真っ赤な火に包まれていきました。
 命からがら逃げることができた木の宮さんは、自分を助けてくれた小鳥のことを思い出し、涙を流しました。それ以来、木の宮さんは酒も狩りもやめ、多くの人たちに慕われる神様になりました。やがて森にも緑が戻り、木の宮神社の周辺は、小鳥たちの楽園になりました。


荒川一郎さん(今泉)
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 この話から木の宮さんは禁酒の神様と言われていますが、実は「杉ほこわけの命(みこと)」という植林の神様なんです。昔、このあたりは野火(山火事)が多かったので、せっかく育った木が燃えてしまうこともありました。それに神社の森に鳥が多いのも事実。神社の周辺は、すばらしい自然に恵まれているからです。つまり、この話は、自然を大事に守りなさいという教えなんだと思います。
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