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【広報ふじ平成6年】平成6年度富士市教育文化奨励賞受賞者 この道一筋

表現方法は異なるけれど、教育、文化を通じて人々の心を動かしてきた人たち

教育や文化活動に貢献し、これからも一層の活躍が望まれる人に贈られる「富士市教育文化奨励賞」。今回、受賞者が決まり、11月3日にロゼシアターで授与式が行われます。ことしの受賞者は、3個人1団体。一つのことに生きがいを見つけ、その生きがいを通じて、人に感動、喜び、楽しさを伝えてきた人たち。今回は、それぞれの道を一筋に歩んできた受賞者の皆さんに、キラリと光るお話を伺いました。


歌が自分を育ててくれた

音楽 市村ひろみさん(水戸島)
いちむら・ひろみ●昭和23年生まれ。東邦音楽大学声楽科、藤原歌劇団オペラ研究科卒。リサイタルを毎年開催するほか、市主催の「星空のコンサート」などに出演。また、市民ミュージカル「ディアナ号」の発声の指事を行うなど、社会活動に貢献している。
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 音楽好きの両親の影響で幼稚園のころからピアノとバイオリン、小学校に入ってからは琴を習いました。高校1年のとき先生に、歌声がいいと勧められ、それから毎週東京へ声楽のレッスンに通うようになったんです。
 私が歌う中で大事にしたいと思っているのは、オペラと日本歌曲。オペラは、動き、話があり、ストーリーとともに歌が入る楽しいもの。この楽しさをみんなに伝えたいから。日本歌曲は、だんだん歌われなくなってきている昔の歌を、美しい日本語の響きとともに歌い継いでほしいからです。
 私にとって歌とは人生の師。歌が自分を育ててくれたと思います。若いころはただ歌いまくって自己満足していただけ。それが歌を続けることで、お客さんのことを考えるようになり、人の気持ちを大事にしようという気持ちも生まれました。そして、社会と自分とのつながりを考えるようになり、何か役に立てることはないかと、リサイタルを開いたり、市主催のコンサートなどに協力したりするようになりました。また、週1回、小規模授産所「吉原つくし」で歌の指導をしています。でも、子供たちの美しい心に私の方が勇気づけられ、逆に感謝しているんですけど(笑)。
 これからは、お客さんと私、またお客さん同士の気持ちが通じ合えるようなコンサートを開いていきたいと思います。


絵は心で描く

絵画 遠藤友子さん(永田町)
えんどう・ともこ●昭和6年生まれ。村井竹山氏に師事。市展に何度か入賞するほか、日本画府展でも数々の賞を受賞し、平成4年には最高賞の日府賞を受賞。現在、富士市美術協会理事などを務め、地域の文化の向上に貢献している。
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 何かをしようと思い、吉原市民会館で行われていた日本画の成人学校に行き始めたのが22年前。それが私と日本画との出会いでした。
 初め、日本画は墨絵だと思っていました。でも習ってみたら、全然違ったんです。日本画は、色とりどりの岩絵の具をにかわで溶いて、板に手すきの和紙を張ったものに描いたもの。展覧会に出すような作品になると、畳3枚分ほどの大きさのものをかくこともあります。
 私がいつも思っていることは、絵は心で描くということ。何かを見て絵をかくときに、いくら人がその何かをいいと思っても、自分が感動しなければ絵を見た人に感動を伝えることができません。ただの草でも自分がきれいだなあと感動すると、すばらしい絵がかけます。
 4年前から、富士公民館の墨絵自主グループの指導をしています。墨絵も習いましたから、今でも墨絵もかきます。墨絵だけでは飽き足らなくて、日本画を始めた生徒もいるんですよ。生徒には、絵をかくことで人生のゆとりが持てるようになってほしいと考えています。
 日本画は、人生の喜び。日本画に出会えて本当によかったと思っています。


基本に忠実。生きた線を引く

書道 小野田順一さん(原田)
おのだ・じゅんいち●大正12年生まれ。山崎大抱、青木香流の各氏に師事。昭和35年、毎日書道展に初入選以来16回入選し、昭和60年には最高賞の毎日賞を受賞。また、市展、県展にも積極的に出品し、昭和60年に富士市展招待作家となる。現在、書道の普及のため活躍中。
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 会社の文化祭に、色紙に書いた作品を出してみたら、それがなんと佳作に。来年はもっといい賞をと、先生について習い始めたのが、私の書道人生の始まり。もう40年くらい前になりますねえ。
 作品を書いて、自分でよいと思っていては、井の中の蛙(かわず)。他流試合(笑)をしてみなければと、数々の書道展に出品、多くの賞をいただきました。展覧会に出すものは、何か月もかけて何百枚も書きます。その中から、線のつくり、墨のにじみ・かすれぐあいなどを見て、最高に生きた線が引けている一枚を出品します。
 4年前まで、20年以上の間、原田公民館で書道を教えていました。私が教えるときのモットーは、基本に忠実にするということ。数字の「一」を書くことから教え、筆を押さえたりとめたり、はねるという基本を大切にします。何でもそうでしょうが、書道も年期が必要。3年でやっと経験したことに、10年で人並み以上になれるくらいですね。
 書道とは、僕のすべて。生きがいです。動ける間は、自分のために、そして人のために書道を続けていきたいです。


喜んでもらうことが一番の楽しみ

郷土芸能 東比奈諏訪神社大龍の舞保存会(比奈)
ひがしひなすわじんじゃ・だいりゅうのまいほぞんかい●昭和56年に保存会設立。毎年10月16日の地元諏妨神社のお日待ちで披露するほか、ふるさと芸能祭、姫名の里まつりなど、数々の行事に出演している。
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 東比奈諏訪神社大龍の舞が生まれたのは、18年前。地域で何か、伝統に沿った芸能ができないかと考え、東比奈諏訪神社には、長野の諏訪大社と同様、龍神伝説が伝わることから、氏子有志により大龍の舞が創作されました。そして、この郷土芸能を後世に伝えるため、昭和56年に保存会を結成。現在約40人のメンバーが、仕事の都合をつけながら練習、披露に活躍しています。
 大龍の舞のストーリーは、6頭の大龍が人里にあらわれ、姫をさらって飲み込んでしまい、その大龍を須佐之男命(すさのおのみこと)が退治するという、勇ましく迫力のあるものです。目がらんらんと輝き、口から火と煙を吐く異様な姿の大龍。長さ16メートルもあるこの龍一頭を、一人で操ります。
 舞の振りつけはもちろんのこと、舞台、飾り、音響、効果なども、全部自分たちの手づくりです。練習から実演までかなり大変ですが、人に見て喜んでもらえるのが一番の楽しみ。11月27日には、ロゼシアターで行われるふるさと芸能祭へ出演しますので、ぜひ皆さんに見に来ていただきたいですね。
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