お茶に注ぐ熱い愛情 県茶品評会で農林水産大臣賞受賞
水野米満(よねみつ)さん(川尻)
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秋は、お茶にとって一番大事な時期。暑い夏が過ぎ、厳しい冬を迎える支度をします。お茶は夏から秋にかけて根に養分をたっぷり蓄積させ、春先に葉の「うま味」になっていくのです。
お茶について愛情たっぷりに語ってくれた水野米満さんは、日焼けした顔から白い歯をのぞかせるダンディーな38歳。大学卒業と同時に、父公夫さんの経営する茶園「まる水園」の仕事を始めました。「サラリーマンになるつもりは全くなかった。そのころ小さかった製茶工場を拡大し、販売にも力を入れはじめた時期だったので、なんとか茶業で食べていけるかなと思ったのがきっかけ」と語る水野さんは、次第にお茶に魅せられていったと言います。
富士市での開催となったことしの茶品評会に出品した新茶が普通せん茶の部で見事農林水産大臣賞を受賞。父親との二人三脚の茶づくりが実を結びました。
「毎年、出品し続けていたが、最高賞は初めて。ことしは春先の霜もなく、よい茶ができる気がしていた。富士のやぶ北茶が、少しでも有名になればうれしいね」
水野さんのつくっているお茶は、コクがあるとお客様にも喜ばれているとか。有機肥料や発酵堆肥(たいひ)を使い、農薬もできるだけ使わないようにしています。「自然が相手だから苦労も多いけど、愛情を注いで育てれば、よい味と香りとなって答えてくれる。お茶は生き物なんだなあと思うよ」