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【広報ふじ平成6年】特集●富士女性プラン 女(ひと)と男(ひと) 一緒に社会を築きます

男女共同参画型社会を目指して

 こんにちは、私たち、うーちゃん・まーちゃん。
 皆さんは、「女だから」「男だから」と、性別によっていろいろな場面で制約を受けたことはありませんか。市では、性別にかかわらず、女性にとっても男性にとっても暮らしやすい社会をつくるための方向性を示す「富士女性プラン」をまとめました。
 今回は、私たちが「富士女性プラン」のあらましを紹介します。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 富士女性プラン推進のためのイメージキャラクター うーちゃん〔ウーマン(女)のうー〕 まーちゃん〔マン(男)のまー〕

富士女性プランの目的

うーちゃん(以下うー) 
 まずは、「富士女性プラン」がつくられたいきさつを。
まーちゃん(以下まー) 
 最近、女性の社会進出は目覚ましいものがある。それに、女性も男性も生き方が多様化してきたんだよね。
うー 
 でも、「男は仕事、女は家庭」という言葉に代表されるように、性別によって役割を固定的に決めてしまう性別役割分担意識が根強く残っているのよね。そして、女性が何かをしようとするとき、女であることを理由に制約を受けてしまうこともある。
まー
 それは、男性だって同じことが言えるけれど。
うー
 男女平等を保障する法律や制度は整ってきても、実際にはまだまだ…。
まー
 そこで、女性を取り巻く多くの問題を解決し、男女があらゆる分野で共同して社会の発展を支えていく、「男女共同参画型社会」を目指して「富士女性プラン」がつくられたというわけ。あっ、参画というのは、ただ参加すればいいというのではなく、計画を立てる段階から参加するということだよ。
うー
 そうね、そんな社会に富士市がなれば、住む人だれもが、生涯を通して安心して生き生き暮らすことができるわね。

富士女性プランの性格

うー
 このプランは、女性にかかわる事業や啓発活動を進めていくための基本計画なの。
まー
 それに、市民意識調査の結果をもとに、富士市女性行動計画懇話会や市民の意見を尊重してまとめたんだ。
うー
 具体的には、三つの基本理念を掲げ、五つの主要課題を柱に計画を進めていくのよね。

基本理念
1.個人の尊重と男女平等
2.男女の自立とあらゆる分野への共同参画
3.男女がともに生きる社会の実現


今は女性が試されている時期
富士市女性行動計画懇話会会長を務めた 杉山 泰子(たいこ)さん
- 写真あり -

 女性が社会参加することは重要なこと。しかし、女性の社会進出には、出産・育児、介護が障害となっている場合が多いと思います。各家庭だけで苦労を背負わないで公的機関などを積極的に利用してほしいですね。
 これからは女性が社会を変えていく時代。今は不況で女性への風当たりが強くなってきましたが、こういうときこそ女性が試される時期。自分の殻の中で不満を持っていないで、解決する策を考えてほしい。そして、自分で自分の道を開拓していってほしいですね。


1.男女平等教育の推進

 男女がともに自立した人間として成長していくことは、男女共同参画型社会の大前提。
 そのため、家庭、学校、社会において、男女の自立と平等の意識を育てる教育を進めていきます。

子供のころから平等意識を
うー
 男女平等の意識や人間としての自立というのは、幼児期から青少年期までの家庭教育で左右されるわよね。
まー
 そうだよ、だから、家庭教育って、とても大事なんだ。
うー
 「富士女性プラン」(以下プラン)では、男女は生まれながら平等であるという認識のもとに、望ましい家庭教育がなされるよう支援や啓発をしていくのよ。
まー
 子供の個性を尊重し、能力を伸ばすための家庭教育をね。
うー
 それでね、各年代に応じた家庭教育に関する講座を開催するの。それと、家庭での教育についての相談事業もね。
まー
 ところで、学校教育における男女平等教育も大切だよね。
うー
 プランでは、児童・生徒の心身の発達段階にふさわしい男女平等教育を実現するための環境整備に努めていくの。
まー
 さらに、一人一人が性別にかかわらず、個性と能力に応じた選択ができるよう進路指導体制を充実していくんだよね。

生涯学習体制の整備

うー
 最近は、生涯学習時代と言われるように、市民の学習意欲が高まっているわね。
まー
 それは、人生80年になって多様な生き方が可能となってきたから。
うー
 プランでは、その学習意欲に対応した生涯学習体制の整備を進めるの。また、男女の自立や女性の社会参加を促進するため、必要とされる学習の機会を提供していくわ。
まー
 このほか、高齢者、障害者や子育て中の母親も利用しやすくなるよう、社会教育施設の整備や拡充をしていくんだよ。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 家庭科の授業で男女一緒に調理実習する中学生


2.社会参加の促進

 社会活動に参加する女性はふえていますが、性別役割分担意識によって活動の幅が限られていることがあります。
 プランでは、女性はもちろん、男性も積極的に社会のあらゆる分野に参画するよう促進します。

方針決定への共同参画

うー
 女性の意見や視点を市政に反映させるにはどうしたらいいかしら。
まー
 重要な政策の方針を決める場に、女性が多く参画すればいいんだよね。プランでは、女性委員のいない委員会や審議会などに女性委員を積極的に取り入れていくんだ。それに企業、民間団体などにも、方針決定の場へ女性が参画できるよう啓発するんだよ。

地域社会への共同参画

まー
 女性も男性も市民としてその力を十分発揮し、地域活動に参画することが大切だよね。
うー
 地域の役員は、ほとんどが男性。でも、実際には活動の中心となっている女性も多いのに。
まー
 そうだね。そのため、女性にも役員になってもらおうと、地域における役員の役割や活動の実態などを学ぶ講座を開催していくんだよ。
うー
 男性も地域活動に積極的に参加してもらうよう啓発もしていくのよね。
まー
 このほか、国際化時代に対応するため、国際社会に理解を深めてもらおうと、情報提供や講座の開催をしていくんだ。それに、男女とも国際交流や国際協力ができるよう支援していくんだよ。


能力には男女の差はない
日産自動車富士工場人事課長 佐藤 正樹さん
- 写真あり -

 人間としての能力や価値というものには、男女の区別はないと思います。
 我が社でも、女性をお茶くみ、コピーとりだけで雇うつもりはありません。能力や専門があれば、管理職も可能です。ただし、女性自身が補助的な仕事を望んでいる場合もありますが…。
 女性には、仕事に対して価値を見出してほしい。また、日々仕事の要求基準は高まっているので、それに気づいてほしいですね。


3.健康と福祉の増進

 生涯を通して明るく健やかに過ごしたいと、男女がともに願っています。
 プランでは、生活に必要な役割への男性の参加を促すとともに、健康づくりや福祉サービスを充実します。

母性の保護

うー
 女性には、男性にはない妊娠、出産という母性機能があるのよね。
まー
 そう、こればかりは男女同じではない。母性機能というのは、次の世代へ生命を引き継ぐ大事なものなんだよ。
うー
 だから、母性保護の重要性を広めていくのよ。

家事・育児、福祉の分野への男性参加

まー
 子育てって大変だよね。
うー
 母親だけで育児をしようとすると大変なのよね。近所に子供がいなかったり、核家族だったりすると、母親が孤立してしまう。育児ノイローゼになる人もいるほど。
まー
 そこでプランでは、父親にも育児に参加してもらおうと、「お父さん教室」を開催するんだよ。
うー
 それに、地域での育児サークルも育成するしね。
まー
 さらに、子供が健全に育つよう支援体制を充実していくんだ。
うー
 安心して子育てできるわね。でも、育児だけでなく家事もねえ。
まー
 男性も生活面で自立しなくてはね。
うー
 それに、介護やボランティア活動など、福祉の分野も主に女性が担ってきたのよね。
まー
 そう、だからプランでは、男性も積極的に参加してもらうように、講座や研修会などを開催して意識啓発するんだよ。

高齢期を生き生きと

まー
 年をとっても、男女が力を合わせて生き生き暮らしたいね。
うー
 うん。それには、なるべく健康でいなくては。
まー
 プランでは、生涯を通しての健康づくりを充実していくよ。健康診査とか、保健サービスとか。
うー
 高齢化社会に対応した環境整備も必要よね。運悪く寝たきりになる場合もあるし。
まー
 だから、福祉施設や福祉サービスを充実していくんだよ。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 高齢者ダンスサークル「バイオレット」


定年を機にボランティアに参加
「男の自立サロン」メンバー 細井 一雄さん
- 写真あり -

 4月の定年を機に、実際に手を出して社会に貢献したくなり、妻と一緒にボランティア講座に参加しました。今までは、会社人間でこんなこと考えている時間の余裕なんてなかったですね。その講座がきっかけで、男性を中心としたボランティアグループ「男の自立サロン」を結成。そのメンバーとして、これから活動していきます。
 現在は3級ホームヘルパー養成研修を夫婦で受講しています。どちらが倒れても、最善の看護をしてあげたいし、してもらいたいですから。


4.働くための条件整備
 女性の職場進出で生じる家事、育児、介護の問題。それには、男性も女性も家庭と仕事を両立できる環境の整備が必要。また、職場での女性の地位向上も課題です。
 女性が働くための条件整備を推進していきます。

働く女性の地位向上

まー
 富士市の就業人口の約40%は女性なんだよね。
うー
 そうなの、女性の職場進出は進んできたのよ。それなのに、女性は差別を受けることがある。まだまだ女性の地位は低いと思うわ。
まー
 そういえば、募集、採用、配置、昇進、賃金などに差があることも。
うー
 それでね、プランでは、働く女性の実態についての調査を行って、女性の地位向上のため、不平等を解消するように啓発活動をしていくの。

働きやすい就業環境の整備

まー
 女性が働くときに障害となるものは?
うー
 やっぱり、家事、出産、育児、介護かしら。
まー
 そうだね、仕事との両立は難しいかも。
うー
 でもね、その考え方も「男は仕事、女は家庭」という考えからよね。家事、育児、介護、それに仕事も…、疲れちゃうわよ。
まー
 男性の協力はもちろん必要だけれど、就業環境の整備も必要だね。
うー
 だから、保育・介護事業を充実していくの。それに、育児休業が取りやすい職場環境になるよう、雇用主に対して啓発していくのよ。そして、介護休業制度や女子再雇用制度の導入についても働きかけていくわ。
まー
 障害といえば、最近、職場での性的嫌がらせが問題となっているけれど。
うー
 そのために相談体制を充実していくの。就業環境がよくなれば、女性も自分の能力を十分発揮することができるはずだわ。

職業意識の向上

まー
 でもさ、女性の職業意識は低いという批判もあるけれど。
うー
 そうよね、権利ばかり主張していたら、男性だって迷惑だわ。
まー
 男女平等って言うんだったら、女性も職業意識や能力を向上していかなくては。
うー
 そのとおりよ。そのために、能力開発講座や就職についての講座などを充実していくのよ。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 保育園は働く女性にとって必要不可欠なもの
( 写真説明 ) 女と男のフォーラム実行委員会


5.女性をとりまく環境についての問題啓発

 女性を取り巻く社会環境は急速に変化しています。
 女性を取り巻く問題について、意識や実態の調査・研究を進め、男女共同参画型社会の実現のため、事業や啓発活動などに反映させていきます。

多様な選択ができる社会へ

まー
 最近、女性の生き方は本当に多様になってきたよね。
うー
 ええ。でもね、女性に対する考え方には、女性はこうあるべきだという固定的な考え方がまだまだ残っているのよね。
まー
 女性に限らず、男性も、自分がやりたいと思ったことを、性別によって制限されずに選択できる社会でなければ、男女共同参画型社会とは言えないね。
うー
 そう、いろいろな生き方が認められるようになればいいわね。
まー
 以前から、市では、女性を取り巻く環境についての考え方を語り合う「女(ひと)と男(ひと)のフォーラム」を開催し、意識啓発や社会参加の促進をしてきたんだよ。プランでは、性別役割分担意識や、女性の個性や能力に対する固定的な観念を取り除くための意識啓発をもっとしていくんだ。
うー
 そして、女性を取り巻く問題についての調査研究も進めていくのよね。
まー
 このほか、女性の活動がより一層活性化し、よりよいものになるよう支援体制づくりをしていくんだよ。
うー
 それに、悩みや不安について安心して相談できる、女性のための相談体制の整備もするのよ。


プランの進め方
 このプランは、平成12年度を目標に進めていきます。進め方は、市役所の関係課を中心とした連絡会を設置して推進。ただし、今後、社会情勢の変化などに対応するため、必要に応じて見直しを行っていきます。
 そして、皆さんに協力していただき、市民、企業、行政が連携しながら進めていきます。


育児と仕事の両立は大変ですが…
田辺整形外科勤務 内藤 浄美(きよみ)さん
- 写真あり -

 生後2か月もたたないときから保育園に預けられて、子供がかわいそうと思い、一時は仕事をやめようと思ったことも。でも、仕事にやりがいを感じているので、今もがんばって続けています。
 核家族なので、家事・育児と仕事の両立は大変ですが、職場の人たちの理解もあるし、何よりも夫が協力してくれるのでとても助かっています。とにかく、あまり難しく考えないで、できるところまでがんばろうと思っています。


富士女性プラン啓発講演会
とき 10月11日(火曜日)13時30分〜15時
ところ ロゼシアター 小ホール
テーマ 「女(ひと)と男(ひと) いっしょに社会を築きます」
講師 上野千鶴子さん(社会学者)
定員 300人  受講料 無料
申し込み 10月6日までに保健婦人センターへ
*託児あります(要予約)


富士・女(ひと)と男(ひと)のフォーラム参加者募集
とき 11月12日(土曜日)9時45分〜15時30分
ところ 保健婦人センター
テーマ 生活向上談義「女(ひと)と男(ひと) いっしょに社会を築きます」
内容
 ○4人のゲストによるミニ講演会
 ○分科会
 1.(女と男)女と男 言いたい放題(ほうだい)はなし放題
 2.(しごと)いきいきと働いていますか、あなた
 3.(こども)もっとゆっくり教育・共育
 4.(まちづくり)女と男がつくるふじのまち
ゲスト 馬居(うまい)政幸さん(静大教授)、渡辺弥生さん(静大助教授)ほか
参加費 500円(昼食代含む)
申し込み 10月25日までに参加費を持参し保健婦人センターへ。電話も可
*託児あります(要予約)

暮らしやすい富士市となるよう、女性も男性も力を合わせましょう。

富士女性プランについての問い合わせは
 保健婦人センター 婦人消費者係 電話64-8995
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