気軽に「駐在さん」と呼んでほしい
鈴木郁朗(いくろう)さん(原田)
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明治23年、原田村に駐在所が設置されてから51代目の駐在さん。鈴木さんが原田へ赴任した7年前は、奥さんと二人だけだったのが、今では二人の子供との四人家族。もうすっかり地域になじみ、鈴木さん自身、住民として地域の活動にも積極的に参加しています。
敬礼しながら駐在所の前を通り過ぎる学校帰りの子供たちに「お帰り」と笑顔で声をかける鈴木さん。ほとんどの子供の顔と名前を覚えていると言います。
「駐在所といえば、山や川が見えるような牧歌的な風景を思い浮かべませんか。ところが原田地区は住宅が多く、昼間はお年寄りや子供くらいしかいません。子供たちは、犯罪を防ぐための有力な協力者なのです」
鈴木さんが駐在所発行のミニ広報紙づくりに力を入れているのも、地域に溶け込んだ身近な存在として、気軽に「駐在さん」と呼んでほしいという思いから。富士署ミニ広報紙コンクールで第1位になった紙面からは、実際に起きたエピソードを織りまぜながら、警察活動への理解と防犯の協力を呼びかける「駐在さん」の熱意がひしひしと伝わります。
「湧水の澄んだ水のように、心の清い人が多く住んでいる土地でも犯罪は起こります。駐在所は、地域社会の治安を住民とともに手を携えて解決する生活安全センターなのです」