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【広報ふじ平成6年】富士の民話あれこれ

手無観音(てなしかんのん)
 身延線富士根駅北側の天間川坂地区に、「手無観音(てなしかんのん)」を祭っている観音堂があります。
 今回は、この「手無観音」にまつわるお話について、今もなお観音堂を大切に管理している福泉寺の住職、岡田晨正(しんしょう)さんに語っていただきました。
- 写真あり -

 今から400年くらい昔、室町幕府の第13代将軍足利義輝の時代のことです。小泉村に川越の喜六(きろく)という魚とりの好きな人が住んでいました。
 喜六は、永禄2年6月18日の夜に潤井川へ網を仕掛け、魚をとろうとしたのですが、網を引き上げたら、かかっていたのは魚ではなく、12センチメートルほどの木像の観音様でした。
 川を流れている間に取れてしまったのか、観音様の手は2本ともありませんでしたが、ピカピカ光ったその姿は、神々しいほどの美しさでした。
 喜六は、不思議に思いながらも、とにかく家へ持って帰ることにしました。天間川坂まで来たとき、喜六は大きな松の根元の石に腰をかけ、観音様を置いて一服しました。
 しばらくして、観音様に手をかけると、観音様は見る見るうちに大きくなりました。びっくりした喜六が両手で動かそうとしても、観音様は重くなってしまい、ビクともしません。
 喜六は、「これは、観音様がこの土地に永く住んで、人々を救おうというおぼしめしに違いない」と思い、お堂を建て、観音様を安置したということです。


岡田晨正(しんしょう)さん(天間)
- 写真あり -
 この「手無観音」は、ご利益があるということで、その名が口々に伝えられ、参拝の信者がふえました。そして、手無観音は遠くまで知られるようになり、「駿河・伊豆国三十三観音霊場」の一つとして祭られるようになったのです。
 毎月14日に地域の人たちが集まり、お経を上げています。2月と8月の14日には祭りがあり、特に8月の大祭では、盆踊りなども行われ、大変にぎわいます。昔は、祭りの日に観音堂の前で競馬をしたこともあるんですよ。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 地図
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