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【広報ふじ平成6年】ふるさとの昔話

岩本万野の天狗岩

 岩本の実相寺西側の道を登っていくと、家が五軒ある万野部落に着きます。
 万野部落の西側は絶壁で、その中腹に富士川に突き出た大きな岩があります。里の人々は、その岩が天狗の顔のようなので、「天狗岩」と呼び、天狗のすみかに違いないと思っていました。

天狗に乗った漁師
 ある日のことでした。一人の漁師が富士川で鮎をとっていると、漁師のなりをした天狗が現れて、「俺と相撲をとらないか」と言いました。漁師が無視していると、天狗は「魚は後で俺が手伝うから相撲をとろう」と言います。漁師は、断ると怒るかもしれないと思い、河原で相撲をとりました。ハッケヨーイノコッタノコッタ、エイヤー ドッスン。なんと天狗は漁師に投げ飛ばされてしまいました。負けた天狗は、顔を真っ赤にして「もう一度」と飛びかかってきました。漁師は負けてやらないと幾度もかかってくるに違いないと思い、威勢よく投げつけられました。
 天狗は漁師がわざと負けたとも知らずに舞い上がって喜び一生懸命漁師の手伝いをしました。
 しかし時がたち過ぎたのかさっぱり鮎がとれません。
 天狗は漁師に「目を閉じて俺の背中に乗れ」と命じ、漁師はわけもわからずに従いました。
 天狗は威勢よく舞い上がり風を切ってどこかの河原に漁師をおろしました。漁師があたりを見渡していると天狗はたちまち鮎をいっぱいとり、漁師に手渡し再び漁師を背中に乗せて目を閉じさせるともとのところへ帰ってきました。
 漁師は今起きた出来事が理解できずに天狗に訪ねました。
「いま鮎をとってきた川はどこだったのかのう」
 天狗はにやりと笑いながら「伊勢の鳥羽の川さ」と言いながら山へ帰っていきました。
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