広く市民に親しまれ、市民文化の発祥地として活躍してきた吉原市民会館は、平成6年3月31日で閉館します。
吉原市民会館がオープンしたのは、今から34年前の昭和34年。ちょうど今の天皇陛下がご結婚された年に当たります。当時東海地区一の会館と言われた市民会館は、今までに数多くの市民に忘れられない感動と思い出をつくってくれました。
開館からことしの7月まで、吉原市民会館で行われたコンサートや展示会などの数は約6万件。総入場者数では、約625万人が吉原市民会館を利用したことになります。また、今では考えられないでしようが、昭和50年度までは結婚式も行っていました。市民会館で結婚式を挙げたカップルは、4,763組。この人たちにとっても、市民会館は忘れられない思い出になっていると思います。
これほど多くの人が利用し、思い出をつくってくれた市民会館ももう限界。設備も建物も古くなり、閉館記念事業「あっぱれ市民会館」を区切りとして、11月にオープンするロゼシアターにその役目をバトンタッチします。
市民会館は皆さんの前から婆を消してしまいます。しかしそこから生まれた感動や笑いや涙の数々は、決して忘れられることなく、皆さんの心の中で生き続けるでしよう。
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( 写真説明 ) 多くの若者が、市民会館で成人式を行い、大人として羽ばたいていきました。
( 写真説明 ) 昭和34年1月15日、吉原市民会館で記念すべき第一号の結婚式を行った、米山登さん・昭子さん夫妻の記念写真。
加藤信吾さん(比奈)
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「市民会館での経験をロゼシアターへ」
吉原市民会館は、いろいろな文化団体や文化に貢献している市民の活動の場。またその活動を鑑賞に来る人たちで、吉原地区では一番人が集まるところです。私は12年間、照明、音響という仕事を通じて市民会館に訪れる人が満足してもらえるように努めてきました。
市民会館から学んだことはたくさん。技術的なことはもちろんですが、市民を大切にし、育成するということ。今はロゼシアターで照明担当の仕事をしているのですが、市民会館で培った貴重な経験を生かして、市民文化をロゼへつないでいきたいと思っています。
市民会館での最後の仕事は、今度の「あっぱれ市民会館」。この日だけはロゼの仕事を休ませていただき、市民会館への感謝の気持ちを込めて、精いっぱいお手伝いさせていただきます。