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【広報ふじ平成5年】人権について知りたい

 富士市が今年度人権モデル地区に指定されました。毎年全国から14地域を法務省と全国人権擁護委員連合会が選び、指定された地域では人権尊重の心を広める活動を積極的に行い、全国の見本になるよう努めます。
 でも、人権と言われてもピンとこない人も多いのでは。今回は、人権モデル地区としての活動についてお知らせするとともに、非常に大切な「人権」についてお互いに考えてみましょう。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 平成4年度人権ポスター最優秀作品
( 写真説明 ) 吉原北中 古屋静香さん

Q&A 豆知識

人権とは、どんなことですか?
 人権とは一口で言うと、「すべての人が等しく幸せな生活を営むための基本的な権利」です。
 要するに、生まれながら持っている、当たり前の権利なのです。
 この権利をお互いに尊重し、相手の立場を考えて豊かな人間関係をつくっていけば、幸せな生活が送れるはずです。
 しかし、自分の権利だけを主張したり、行動したりすると、他人の人権を侵すことに。お互いに思いやりを持つことが大切です。

「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない」(日本国憲法十一条)。
「基本的人権」とは人間が人間らしく生きていくのに必要な自由と権利。

こんなとき、人権が危ない
 他人の勝手な行動のために、みんなと等しい幸せな生活が送れない。こんなとき人権が侵されていると言えます。
 例えば……
○学校などでいじめられる
○近所のカラオケがうるさくて悩まされている
○みんなから仲間外れにされる
○変なうわさをたてられる
○女性・障害者・外国人だからといって差別される
○先生から体罰を受けるなどです

知らないうちに
人権を侵している
こともある
知らないうちに
人権を侵されていることもある


皆さんの人権を守るよう活動しています

富士人権擁護委員協議会会長
河野 勝さん
- 写真あり -
( 写真説明 ) 昭和47年から人権擁護委員として活動。ことしで21年目。現在、富士人権擁護委員協議会会長、富士市地区人権擁護委員会会長、静岡県人権擁護委員連合会副会長としても活躍中。
 人権擁護委員とは、地域の中で人権擁護活動を行う任務を持った人です。市長から推薦を受け、法務大臣から委嘱されます。富士市の人権擁護委員は、私を含め15人。このうち7人が女性です。
 活動内容は、人権思想の普及に努めること。しかし、人権と一口で言っても範囲が広いですからね。
 主な活動の一つとして、市民の人権が侵されていないか常に監視し、もし侵されていたらそれを助けるというものがあります。
 最近啓発活動をしながら特に注目しているのは、大きく分けて五つ。子供の人権、高齢者の人権、女性の人権、障害者の人権、外国人の人権が侵されていないか、ということです。例えばいじめの問題、高齢者が家族から冷遇されていないか、女性に対するセクハラや昇級の問題、障害者が健常者と一緒に生活しやすいか、外国人への差別がないかなどです。
 そして、もし人権が侵されていたら、その人たちの意見を聞き、内容に応じて法律上はこうなっているとか、どうした方がいいとかのアドバイスをします。
 例えば、家主や地主からいやがらせなどにより一方的に追い立てられて困っている人、変なうわさをたてられ名誉や信用を失ったとして訴えてくる人などに対して、アドバイスをしてあげるんです。

市民23万人に人権に関心を持ってほしい

 また、重要な活動として、人権というものを皆さんに知っていただくための啓発活動があります。
 パンフレットやビラを配布したり、横断幕を掲げたり。今年度の人権モデル地区としての活動の中には、各公民館の高齢者学級の時間に、人権とは何かを聞いていただく「人権モデル地区講演会」も行っています。
 今の現状では、人権に対する認識があまりないと思うんです。実際に人権を侵されていても、自覚がないこともしばしば。今年度のモデル地区を機会に、人権に関心を持ち、人権とは何かを知っていただくことが、私たちの願いです。
【富士市人権モデル地区推進協議会の主な事業】
 人権を広く知ってもらうための、啓発活動を行っています。
◇人権の花(ヒマワリ)を小学校へ配布
◇中学生を対象に、人権ポスター・人権作文の募集
◇小中学生を対象に、人権書道を募集
◇各地域などで人権に関する講演会、講習会の開催
◇市内7か所に、垂れ幕、横断幕、広告塔を掲示
◇市民から400人を無作為抽出して、人権に関する アンケート調査
◇各種パンフレットの配布、ポスターの掲示など
- 写真あり -
( 写真説明 ) 人権モデル地区講演会
( 写真説明 ) 市内各所に、垂れ幕、広告塔
( 写真説明 ) 人権に関する各種パンフレット


人権インタビュー

障害者の人権を守れるような環境を

ふれあいショップあゆみ指導員
鈴木なみ江さん
- 写真あり -
( 写真説明 ) 昨年11月、富士ふれあいの翼に参加。障害を持つ人たちと一緒に、富士市の姉妹都市アメリカ合衆国オーシャンサイド市へ。
( 写真説明 ) 現在、小規模授産所で障害を持つ人たちを指導。
 アメリカではとにかく障害者の人権が守られていました。障害者に限らず、個人を尊重する国ですから。
 どこへ行っても、障害者の行けない場所がないんです。例えば、何かショーを見に行っても、車いすのスペースが設けてありますし、段差もありません。街の中だって全然問題なく移動することができます。ですから、障害を持った人たちでも、どんどん街に出てきている。みんな生き生きと、健常者と同じ生活ができるんです。
 また、一緒に行った障害者のお母さんが「人の見る目が違う。伸び伸びできる」と言っていました。小学生のころから車いすを押してあげるなど、障害者と接する機会が多いからではないでしょうか。
 社会参加の問題でも、身体障害者に関しては、健常者と同じ待遇。富士市でも小規模授産所などがあり、楽しく幸せに働けるようになったことは、とてもありがたいことです。
 以前、日本のどこかのホテルで、盲導犬を連れていた人が宿泊を断られたと聞きました。いくら犬を入れてはいけないからといって、悲しすぎると思いませんか。
 交通事故や高齢で、いつ自分も障害を持つかわからないんです。今私たちが、障害者の人権を守れるような、普通の人と同じ生活ができるような環境をつくっていかなければならないと、心から思います。


私たちは日本人ではないけれど特別な人でもないんです

エリサベス・ルーさん
ショーン・メレディスさん
レイチエル・ウェインさん
- 写真あり -
( 写真説明 ) 左から吉原高校のAET(英語指導助手)のレイチェル・ウェインさん、吉原商業のAETショーン・メレディスさん、富士市立小中学校のAETエリサベス・ルーさん
 「よく外国人だからアパートを貸してくれないとか、一つの部屋に何人も住まわされる、病院で診てもらえないなどの人権問題を聞くよね。私たちの場合、そんなにひどい差別は受けたことはないけれど、ちょっとしたことで差別を感じて悩むこともある」
 「そう、一番感じることは、じろじろ見られること。確かに外見も言葉も違うからだけど」
 「あと外人って呼ばれると、すごく気になる。名前も聞かないで外人と書かれたこともあるの。指を指されたことも」
 「私はアメリカ人なんだけど、アメリカでは誰でも銃を持っているんでしょとか、人を撃つのが好きかって聞かれたときは、かなりショックだった。自分の国をばかにされているみたいで」
 「言葉がわからないのは、私たちが悪いんだけど、避けられたり、仲間外れにされたり」
 「親切な人もすごく多い。でも特別に扱われすぎて困っちゃう。周りの人と同じように接してほしいのに何か両極端」
 「どこの国でも、差別はあると思うの。でも日本と大きく違うのは、若い人も差別の話をよくして、多くの人が人権や差別に関心があることだと思うわ」


人権相談は簡単に言うとよろず相談なんです

静岡地方法務局 富士支局 支局長補佐
土屋敏雄さん
- 写真あり -
( 写真説明 ) 法務局の支局長輔佐として人権の啓発、問題に取り組むほか、人権相談の相談官として問題に対してのアドバイス、助言を行う
 ここで受ける相談は、いわゆる「よろず相談」なんです。人権相談というと何か難しい響きがして、敬遠されがちですが、要するに毎日の暮らしの中で起こる様々な問題を解決するための相談をしています。
 例えばいじめ、体罰、女性差別、外国人の問題、家庭内で起こる問題、借地借家や土地の問題など。人と人がいる以上、必ず問題が起きます。ですから非常に範囲が広いんです。
 これらの相談の中から、人権が侵害された疑いのある事件を発掘することが基本の目的です。
 昨年は、電話の相談も含め965件の相談を受けました。相談内容では、家族の間の問題が、ダントツでトップ。離婚問題やそれに伴う子供の扶養問題が多いです。土地がらみの問題もかなりありますね。
 相談を受けますと、相談者に対して助言、アドバイスをします。問題の解決のためにどのようなことをしたらよいか、どのような手続が必要かなど。その問題の中に入って、どちらが悪いとか決めつけることはできませんけど。
 もちろん相談は無料ですし、秘密は絶対守ります。
 法務局での相談は電話でも受け付けますし、また市役所の市民相談室でも毎週木曜日に人権擁護委員が相談にあたっています。人権擁護委員の皆さんは、自宅での相談も行っているんです。
 生活の中で困ったこと、悩みごと、もめごとなどありましたら、堅く考えずにご相談ください。


ご案内 人権相談

毎日の生活の中での困りごと悩みの相談をお受けします
☆静岡地方法務局 富士支局1階
 月曜日〜金曜日 8時30分〜17時
 電話53-1200(電話相談)
☆市役所2階 市民相談室
 毎週木曜日 10時〜15時
お気軽にご相談ください


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●貸し出し
市役所社会福祉課で無料でお貸しします

問い合わせ 
社会福祉課 内線2312 または
静岡地方法務局富士支部 電話53-1200
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
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