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【広報ふじ平成5年】自由研究だって、へっちゃらさ。

「調べてみればおもしろいことっていっぱいある」

 富士市は、調べてみれば、おもしろいことって、いっぱいある。「自由研究は嫌いだ」なんて言わないで、おもしろそうなこと、何か見つけてみよう。今から探せば、きっと見つかる。そしたら、自由研究だってへっちゃらさ。今月号は、小中学生のための自由研究ヒント集。

 その1
富士市は、みんなも知っている有名な「かぐや姫」の生まれたところ。比奈の「竹採(たけとり)公園」には、卵形の石に「竹採姫(たけとりひめ)」と彫ってあって、ここがかぐや姫の生まれたところだと伝えられているし、「赫夜姫(かぐやひめ)」とか「籠畑(かごはた)」の地名もあるんだよ。日本中で幾つか、「かぐや姫の里」だと言っているけれど、地名まで残っているのは富士市だけ。「かぐや姫」を調べて見るのもおもしろそう。

 その2
ふえ続けるごみを調べよう。ごみの量は毎年ふえ続けて、一人が1年間に出すごみは360キログラム。そして、清掃工場でごみを燃やす費用が、1年間で14億6,000万円。これだけのお金があると、4階建ての校舎が二つ、プールなら19もできる。みんなの家では、どんなごみが多いのかな。
「古墳時代に戻って一つ一つなぞを解いてみようよ」

 その3
取っておきのヒントは、古墳時代を調べよう。今何といっても、古墳時代がおもしろい。ところで、古墳って何だか知っている?今から、1,600年から1,300年前に、石や土を高く積み上げてつくったお墓のこと。市内には、現在600近い古墳が発見されていて、船津や須津には、なんと400もあるんだよ。このほかにだって、富士岡、比奈、伝法、広見、元吉原、岩本、鷹岡にも幾つかある。昔の富士市は、きれいな川が流れ、暖かい気候で、浮島沼の周りは米づくりに最高の場所。そして、山に行けばイノシシやウサギ、シカに、クリやどんぐりの実もいっぱい取れたから、暮らしやすかったんだね。そうした人々の住んだ建物や、生活の場所、これを遺跡というんだけれど、知られているだけでも45遺跡もある。吉永の千束(せんぞく)遺跡、元吉原の三新田(さんしんでん)遺跡、原田の宇東川(うとうがわ)遺跡、今泉の沖田(おきた)遺跡、天間の天間沢(てんまざわ)遺跡など。だから探せば、みんなの家の近くにだってある。なぜ、古墳時代というのか、古墳の形はどんなか、人々の生活はどうだったのか。さあ、一緒に古墳時代に戻って、一つ一つ、なぞを解いてみようよ。


Question Answer

なぜ古墳時代というのですか
 縄文時代の人々は、弓矢を使って狩りをしたり、木の実を取ったりして生活していました。
 弥生時代には、田畑を耕し、米をつくって生活するようになりました。使っていた土器も、人々の生活に合わせて、縄文式土器から弥生式土器に変わっていきました。
 古墳時代になると、身分や階級ができました。そして、身分の高い人を中心に社会が動くようになり、身分の高い人は、村人たちを働かせて、自分のお墓である古墳をつくらせました。
 このため、このような時代を古墳時代といいます。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 年表
( 図表説明 ) 案内図


Question Answer

古墳はどんな形をしていますか
 古墳の形は、約12種類です。市内で一番多いのが「円墳」で、伊勢塚(いせづか)古墳や横沢(よこざわ)古墳などです。円墳は、古墳時代の後期に多くつくられました。
 円墳と四角形を組み合わせたような形のものが「前方後円墳」です。東坂古墳や山ノ神古墳がそれです。
 「前方後方墳」の形をしたものに、浅間(せんげん)古墳があります。古墳時代の中期につくられています。国指定史跡で、市内で一番大きい古墳です。長さは98メートル、幅が60メートルもあります。
 庚申塚(こうしんづか)古墳は、全国でも珍しい「双方中方墳」という形をしています。古墳の形は、死んだ人の位やつくられた時期でも変わると言われています。

スルガの古墳
 古墳時代、富士市は何て呼ばれていたと思う?どうも「スルガ」と呼ばれていたみたい。この「スルガ」の国の最初の首長、首長って、国を治めていた、身分の高い人のことなんだけれど、この人の古墳が、県立吉原工業高校のところにあった、東坂古墳と考えられているんだよ。ここからは、鏡や剣、そして、まが玉やガラス玉も出てきた。今から1,600年も前のものだから、すごいよね。見てみたい人は、広見町の博物館へ行ってみて。見せてもらえるから。「スルガ」の一番大きい古墳は、愛鷹山のふもと須津にある浅間古墳。東坂古墳から約2.5キロメートル離れてつくられている。今は、木がたくさん茂ってしまって、前方後方墳の形が確かめられない。残念。古墳時代も終わりころになると、首長ばかりか、小さな村を治める人たちも、古墳をつくりだした。でも、首長の古墳より、ずっと小さい円墳。特に須津川や春山川の近くに、約四百の古墳が見つかった。なぜここに、こんなにたくさんの古墳ができたのかって?春山川に、古墳づくりにもってこいの石がたくさんあったことや、浮島沼の周りに広い水田が開けていて、大勢の人々が、ここで米をつくって生活していたこと。また、古墳が山の中まであって、今まで壊されないで残っていたことなど。
古墳にも、築造ブームがあったんだよ。この時代の古墳から出てくるものは、鏡のような立派なものではなくて、ふだん使った土器や馬具。死んだ後でも、生活していくのに困らないように、土器や馬具を古墳の中に入れたんだね。どお、みんな!少し古墳のなぞが解けてきたかな。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 古墳づくりで、手に持っているのは“はにわ”
- 写真あり -
( 写真説明 ) 一番大きい浅間古墳(須津)
- 図表あり -
( 図表説明 ) 前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)
( 図表説明 ) 前方後方墳(ぜんぽうこうほうふん)
( 図表説明 ) 円墳(えんぷん)
( 図表説明 ) 双方中方墳(そうほうちゅうほうふん)

古墳時代のくらし
 古墳時代の暮らしを、のぞいて見よう。元吉原の三新田遺跡。ここは、古墳時代の初めころから平安時代にかけての遺跡。村の南は海で、北は浮島沼が広がっていた場所。だから村の人たらは、魚をとって暮らしていた。なぜそんなことがわかるのかって?だって、ここを発掘したときに、魚をとるときに使う、たくさんの土や石でできた「おもり」が見つかったから。もちろん、浮島沼の周りで米もつくったけれど、海は近いし、魚はとれるし、山の方の村では、魚が欲しいって言うし、漁に力を入れて、「ぶつぶつこうかん」したみたい。三新田遺跡の調査をしたとき、古墳時代の家の跡が、約40くらい見つかった。家は、弥生時代と変わらない「竪穴式住居」。大小はあるけれど、一辺が2メートル〜6メートルの四角形で、中に、屋根を支える4本の柱と、真ん中にかまど。ここでご飯を炊いたり、魚を焼いたりしたんだね。食べ物を入れるのに使ったのは、「土師器(はじき)」と「須恵器(すえき)」。「土師器」は、粘土をひものようにして形をつくり、直接火の中で焼いたもの。その一方「須恵器」は、朝鮮半島から伝わった技術で、ろくろを使って大量生産して、主に、くんできた水を入れておくのに使ったみたい。土器は、富士市でもたくさん見つかつているよ。市役所の近くにある「埋蔵文化財整理作業所」や、博物館へ行ったらきっと見せてくれる。古墳時代に、鉄が使われだした。鉄で稲を刈るかまや釣り針もつくった。また、いろいろ工夫して水路を引き、高い場所でも米がつくれるようになっていった。古墳や遺跡の発掘で、今までわからなかったことだって、だんだんわかってきてるんだよ。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 古墳時代の村の様子
- 写真あり -
( 写真説明 ) 三新田遺跡から見つかった土器
( 写真説明 ) 4本の柱の跡がわかる竪穴式住居
( 写真説明 ) 遺跡の発掘現場(天間)


古墳・遺跡の通になりたい人に

1.図書館に行って参考図書を読む
「富士の古墳文化」・「原始・古代の旅」・「こどものための古墳の話」・「富士市の埋蔵文化財」(古墳編・遺跡編)・「発掘調査概報」など。
2.大人の人に教えてもらう
広見町の市立博物館や市役所7階の文化振興課で教えてくれます。行く前に、どんなことを聞きたいのか調べていってください。
3.古墳や遺跡の場所に行ってみる
家の近くにない人には、博物館や天間沢遺跡公園、三ッ沢の実円寺西古墳がお勧め。復原してあるので、よくわかります。
4.見学ツアーに参加する
夏休みに、古墳を訪ねるツアーがあります。博物館の「古墳めぐり」と広報広聴課の「親子施設見学」。暮らしのたよりのページを見て申し込んでください。お早目に!
添付ファイル
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
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