地球温暖化などの環境問題が今や重要視される時代になりました。
リサイクルという言葉を最近よく聞きますが今回はその中でも、第一清掃工場のごみ燃焼のときに発生する熱の利用について。
4月1日から、第一清掃工場で発電した電気を東京電力ヘ売り始めた話題を中心に、ごみが電気になるまで、どんなところでごみ焼却熱が利用されているかお知らせします。
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( 写真説明 ) 市内大渕にある第一清掃工場
( 写真説明 ) 4月1日、鈴木市長がタービンのスイッチを入れ、第一清掃工場から東京電力ヘの有料送電が始まりました。ごみをエネルギー源とする電気の売電は、県下で初めてです。
利用していないエネルギーを生かしたい
第一清掃工場では、ごみを燃やしたときに出る熱を利用して、昭和61年の運転開始当時から発電を行っています。その年の11月からは、工場内の電気をすべて自家発電で賄ってきました。
工場にある発電機の出力は、最大1,000キロワット。しかし工場内で使う電気は600〜800キロワットなんです。ですから今までは、発電機を100%活用していなかったというか、活用できませんでした。結局、エネルギーを余らせてしまっていたんです。
環境のためにも、発電機をフルに運転して、余った電気を活用したいという思いは、以前から持っていました。そして今回、東京電力の積極的な協力により、4月1日から余った電気を東京電力に売ることが実現。このようにごみをエネルギー源とする電気を売るのは、県内で始めてのことです。
電気を売ることによってより安全に
今までは、自家発電で電気を賄っていたので、東京電力からの送電を遮断していました。ですから自家発電が不安定になると、工場全体が停止する可能性があったんです。
しかし東京電力に電気を売ることによって、電気の行き来が自由になります。通常は余った電気を東京電力に送り、自家発電が不安定なときは逆に送電してもらうことが可能になりました。
これにより、工場が停止する可能性が少なくなり、以前のように常に安定した発電量を確保するための監視業務に、神経をとがらせる必要もなくなりました。
ごみが市の収入に
第一清掃工場に集められるごみの量は1日約230トン。市民1人当たり1日1キログラムのごみが出ています。
このうち埋め立てや資源ごみが約30トン。約200トンの燃えるごみを焼却炉で燃やし、これによって発電を行います。
1,000キロワットを発電し、そのうち200〜400キロワットを東京電力に売ります。
収入は、月平均で約200万円。年間で2,400万円が、市の収入として入ってきます。
ごみで発電ができるからといって…
ごみの量がふえればより多く発電できて、より多い収入になるというわけにはいきません。発電機の出力は決まっていますし、逆にごみの量がふえると、焼却炉の寿命も縮まります。また工場内で使う電力が大きくなるため、売る電気の量が減り、収入は逆に減ってしまいます。
ですから、環境のためにも皆さんがごみをできるだけ減らすことに協力していただけるよう、お願いします。
富士市は、これからも未利用エネルギーの活用、リサイクルを行い、「環境にやさしい第一清掃工場」として努めていきます。
第一清掃工場施設係長
若月弘己
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