富士市 FUJI CITY Official Site

富士市
広報ふじ > 平成04年 > 平成4年10月20日 582号 > 【広報ふじ平成4年】古代のまちづくりを訪ねて

【広報ふじ平成4年】古代のまちづくりを訪ねて

 私たちの街は、古代から長い年月の生活が積み重なって発展してきました。市内にある古墳や遺跡の一つ一つがそれぞれ個性を持ち、私たちに何かを語りかけてくれます。
 「古きをたずねて新しきを知る」。そんな街かどウォッチングに鈴木恵美子さん(大渕小5年生)と井倉多香枝(いくらたかえ)さん(広見小6年生)がチャレンジしてくれました。
井倉洋子さん
鈴木和代さん
鈴木恵美子さん
井倉多香枝さん
文化振興課 久松義昭
- 写真あり -

古代から届いたタイムカプセル

土の中に眠っている古代人のメッセージ

 二人はお母さんに相談して一緒に、市役所の西隣にある埋蔵文化財整理作業所を訪ね、学芸員の久松義昭さんの話を聞きました。
恵美子さん
 どうして土の下に昔の家やお墓があるのですか?
−みんなの家でも何かの理由で住めなくなった場合、家は汚れ、腐って倒れてしまうよね。するとその上に草や木が生え、やがて枯れて土になってしまうんだ。例えば1年に土が1ミリメートル積もるとしても、100年で10センチメートル、1,000年では1メートルにもなるね。だから土の中には、大昔の人の暮らしがそのまま埋まっているんだ。ちょうどタイムカプセルみたいにね。

発掘ってどんな仕事なの?

多香枝さん
 発掘ってなぜやるのですか。それと、この作業所ではどんな仕事をしていますか。
−私たちが昔の生活を知ろうとする場合、普通は昔の本を読めば当時の様子がわかるけれど、文字のなかった時代のことはどうして知るかと言うと、土の中の遺跡や古墳を発掘して初めてわかるんだ。
 ふだんの私たちの生活には昔の人たちが積み重ねてきた知恵が生きているんだ。だから、未来を考えるとき、昔の事を知ることはとても大切なことなんだよ。
 それから、この作業所の仕事は遺跡や古墳から出てきた土器や農具、剣や鏡などを整理分類して、昔の暮らしを研究するんだ。1か所の遺跡では何もわからないけれど何十か所も調査すると、昔の富士の様子がたんだんわかってくるからね。そして最後に報告書という本をつくって、私たちの子孫のために残す仕事をしているんだよ。

私たちに教えてくれたもの

自然に溶け込んで生きた人々

恵美子さんのお母さん
 今までの発掘でどんな事がわかりましたか。
−はい、今から約1万5,000年前に愛鷹山麓に人が住み始め、約4,500年前には縄文時代の村がたくさんでき、そして約2,000年前には、今日の日本文化の基礎をつくった弥生時代の村がこの地域一帯にあったことがわかっています。
 縄文時代は、けものや魚や木の実などを、弥生時代は、主に米を食べていましたが、どの時代も自然のサイクルをうまく利用して、自分たちの生活を組み立てていました。環境問題がクローズアップされている昨今、この時代を振り返ってみる必要がありそうですね。

奈良・平安時代に現在の街の基礎が

−やがて古墳時代に入りますが富士市は県下でも古墳の多い地区として有名で、約600基あります。4世紀末には「スルガノクニ」があり、王がいた事が知られています。
 奈良・平安時代になると、東海道、根方街道ができ、ほぼ現在の街の基礎ができ上がりました。特に東平(ひがしだいら)遺跡は有名で、その遺跡の一部が広見公園内の歴史民俗資料館に復元されています。
多香枝さんのお母さん
 広見公園以外にも遺跡を復元した場所は? 
−総合運動公園の古墳広場、三ッ沢の実円寺西古墳などがあります。また、今年度中には天間沢遺跡公園が完成します。

みんなでつくろう未来へのタイムカプセル

恵美子さん
 私の家の下にも遺跡はありますか。
−市は『富士市埋蔵文化財分布図』という地図があるから、市内の土の中の遺跡は調べれば全部わかるんだよ。ところで、富士市は30年程前から急速に街が発展し家や道路が次々とできたんた。
 だから広い面積の土地が掘り起こされ、多くの遺跡や古墳が人知れずに姿を消しているんだ。
 そうした状況は、今でも変わらないんだよ。私たちはできるだけ多くの遺跡を発掘調査して本をつくって、子孫へ伝えて行かなければならないんだ。遺跡から本に姿を変えたタイムカプセルとしてね。それがきっと明日の街づくりにつながっていくと思うよ。みなさんも近所で変わった土器の破片なんか拾ったらすぐ教えてくださいね。
多香枝さん・恵美子さん
 はい、きょうはありがとうございました。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 奈良・平安時代の宇東川遺跡
( 写真説明 ) つぼの復元も大切な仕事


古代史 情報コーナー
 現在市内には600の古墳、114か所の遺跡が発見されています。
 これらの遺跡や古墳、出土品を紹介する冊子を無料で差し上げています。ご利用ください。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 子どものための古墳の話
( 写真説明 ) 富士市原始・古代の旅
( 写真説明 ) 富土市埋蔵文化財分布地図

問い合わせ 文化振興課 内線2721
添付ファイル
※PDFを初めてご覧になる方は、ソフト(Adobe Reader)のダウンロードが必要です。
「Get Adobe Reader」のボタンをクリックし、説明に従いAdobe Readerをダウンロードして下さい。
Get Adobe Reader
広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp
〒417-8601 静岡県富士市永田町1丁目100番地 電話 0545-51-0123 ファクス 0545-51-1456
E-mail kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp