こどもの国・私たちの提言
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大勢の市民参加でつくられた、市民の望む「こどもの国」の提言書が、8月24日市長に提出されました。
そこで、今回はその内容について、まちかどネットワーカーの池谷倫代(みちよ)さんが屋鋪(やしき)政策推進室長にお話を伺いました。
政策推進室長 屋鋪公平
まちかどネットワーカー 池谷倫代さん
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本当に大勢の方からアイデアをいただきました
池谷
こんにちは、私は広報ふじのまちかどネットワーカーの池谷倫代と申します。
きょうは、「こどもの国」の提言書についてお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
屋鋪
よろしくお願いします。
池谷
早速ですが、このほどまとまった提言書には、大勢の市民の皆さんが参加したそうですね。
屋鋪
はい、本当に多くの皆さんからご提言をいただきました。
日本一の富士山にふさわしい魅力のある「こどもの国」にしていくには、地元富士市民に愛されることが前提となりますね。そこで皆さんからご意見やアイデアをお寄せいただいたり、市民代表の方々に検討していただいたわけです。
富士山ろくの自然を守り、自然を生かしたこどもの国を
池谷
具体的に、皆さんはどのような形で参加されましたか。
屋鋪
中心的な役割を果たしたのが 「こどもの国を推進する市民懇話会」の16人の皆さんです。またこの会の分科会には一般から公募した15人の市民の方が参加し、積極的に活動していただきました。
また、中学生の青少年会議や富土市自然環境保全会議の提言を初め一般市民からも多くの手紙をいただきました。特に、県が実施した『こどもの国夢募集』には富士市民から1,151件ものアイデアが寄せられました。これは全体の34.5%に当たります。
池谷
すごい数ですね。ところで提言の内容は‥‥?
屋鋪
はい、「市民懇話会」の提言では基本テーマが、『子供たちが自然とふれあい語り合い、異年代との交流を通じて、創造力・冒険心を養う場の創造』となっています。そして主な内容としては
一、富士、愛鷹山麓の自然環境と調和させ、よりよい環境をつくる。
一、遊びは子供たちの自由にさせ、創造性や個性を伸ばし、継続性や発展性を持たせる工夫をする。
一、建物は木造で、デザインや色彩など富士山との調和に気を配る。
などとなっています。
池谷
富士山の自然と景観をそのまま大事に生かした施設にしていきたいということですね。
屋鋪
はい、市としても富士・愛鷹山麓地域環境管理計画の精神を尊重しながら、より質のよい自然環境の誕生を要望していきます。
テーマごとにゾーンを分け、個性的な施設を
池谷
懇話会の提言内容をもう少し具体的に教えてくたさい。
屋鋪
はい、具体的には「こどもの国」を、街・楽園・森・大地・野・草原・水のゾーン(国)に分けてそれぞれのテーマに沿って施設を配置していきます。
例えば『森のゾーン』では、今あるヒノキの林を順次、ブナやコナラなどの自然林に変えていきます。自然林には、昆虫や木の実を求めて鳥や動物が住みつき、生き生きとした自然を実感できます。
また、木工広場や樹上に秘密基地があったり、森林浴や山菜狩り、林業体験などもできます。
『大地のゾーン』では、どろんこ広場や溶岩洞穴の地底体験コースやヒノキの間伐材を利用した大迷路などをつくります。
『野のゾーン』では、農業体験や 収穫した野菜や果物などが食べられるレストハウスを、また『草原のゾーン』では、乳牛や馬、羊、ヤギ、豚、ウサギなど、動物とのふれあいを大切にします。
これらの動物を利用して、パター、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品やハム、ベーコンなどの肉製品をつくります。
『水のゾーン』では、雨水と地下水を循環利用してせせらぎ程度の沢をつくり、水生動物の生息地とします。もちろん夏は水遊び、冬は氷上遊びができます。
また、『森のゾーン』との隣接や合体が望ましいと考えられます。
子供だけでなく家族やお年寄りも楽しめる施設に
池谷
皆さん随分細かい点まで提言されていますね。
屋鋪
ここ3か月間で計16回も会議を開いて、提言書を完成させたんですよ。
池谷
頭が下がる思いです。ところで、単純な質問ですが、こどもの国へは大人も入園できますよね。
屋鋪
ええ、基本的には18歳未満の青少年が対象ですが、異年齢異世代との交流の場としても大変有意義な施設ですので、当然家族やお年寄り、障害者の方でも利用できる施設であることを前提に考えられています。
遊びのプログラムとプレイリーダーの養成が必要
池谷
それと、いざ入園しても私たち親も含め、自然の中にすぐに溶け込み遊んだり、学んだりできるかというとすごく不安ですが?
屋鋪
自然の中で、こども達の創造力や冒険心を養うには、どのような企画をし、誰が運営していくのか‥‥、いわゆるソフト面が最も大事になってきます。
そこで、提言書では豊富なプログラムと自然とのふれあい方、遊び方、遊びそのものの考え方を教えてくれるプレイリーダーの存在が必要不可欠だとしています。
池谷
ぜひ、そうしていただきたいですね。
屋鋪
ええ、それにプレイリーダーは一朝一夕には養成できませんから、開園に向けて早い時期から取り組む必要がありますね。何しろ、中央公園の約40倍の敷地を運営していくわけですから。
また、いろいろな遊びの達人による人材バンクをつくることも必要だと提言しています。
平成6年に工事着工、平成11年に一部開園の予定です
池谷
開園はいつごろですか?
屋鋪
はい、今後は県段階での作業に移ります。今年度は「こどもの国基本計画策定委員会」が開かれ、建設の基本的な計画が決定されます。この委員会のメンバ−の一人に富士市長がなっていて、会議の中で提言書に基ついた要望をしていきます。また、同時に環境、地形、地下水の調査も行います。
そして平成6年には一部工事に着工。5年後の平成11年には、一部開園の予定です。
池谷
最後ですが「市民懇話会」の皆さんの今後の活動は?
屋鋪
はい、今までは主に施設などハード面での提言をしていただきましたが、今後は地元の立場で運営や管理(ソフト面)について提言をいただきたいと思います。
池谷
大変だと思いますがぜひがんばっていただきたいですね。本日は大変ありがとうございました。
屋鋪
こちらこそ、ありがとうございました。
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( 写真説明 ) 8月24日 「こどもの国を推進する市民懇話会」から提言書が市長に提出されました
( 写真説明 ) 8月26日 県の「こどもの国基本計画策定委員会」が建設地を視察しました
( 写真説明 ) 「こどもの国を推進する市民懇話会」
( 写真説明 ) 青少年会議ではユニークなアイデアも
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