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【広報ふじ平成4年】個性派の道具たち 22

 桜が咲けば花見。花見につきものは、お酒。大勢でワイワイ飲むお酒も楽しいけれど、ひとりしみじみ飲むお酒も、またおつなもの。しゃれた、お酒の道具を紹介しましょう。

燗(かん)をつける道具
羽柴久光さん(比奈)
- 写真あり -

 このお酒の道具は、比奈の羽柴久光さんが、家の中を整理していて見つけました。
外側は、木でできていて、縦が15センチ、横が18センチ、高さは10センチの小さな箱です。これに、取っ手がついています。ふたをあけると、しんちゅうでつくられた道具の数々。
 これは、屋外でお酒を飲むときの、かんをつける道具だそうです。“おき”を入れるところがあって、“おき”でお湯を沸かします。お酒を入れる筒には、萩の模様の彫金。現代ではちょっと見られない、しゃれたものです。
 それもそのはず、これは今から180年くらい前の、町人文化が栄えた「文化文政時代」のものではないかと考えられるからです。羽柴さんも、やかた船の中で使っている「にしき絵」を見たと言うお話でした。
 お酒は好きだけれど、そんなにたくさんは飲めない風流な人が、長い旅の慰みに携帯したのでしょうか。あるいは、桜をめでながら、ひとりしみじみ飲んだものかもしれません。ちなみに、羽柴さんは「俳かい史研究会」の会員。風流なご先祖様がいても、ちっともおかしくない雰囲気をお持ちでした。*この道具の呼び名を知りませんか。
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