水ぬるむころになりました。滝戸地区は潤井川がすぐ近くを流れ、このほかにも上堀、中堀、下堀が縦横に走る水の町。昭和20年代までは、川での魚とりも盛んだったそうです。
佐野松男さん(滝戸)
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ブッタイ
今回は、“ブッタイ”を滝戸の佐野松男さんからいただきました。“ブッタイ”とは、魚をとる道具のことです。竹のすだれを三角にしたような形をしていて、佐野さんのおじいさんの代から使われてきたものです。
魚をとるときには、まず勘を働かせます。魚のいそうな川の草むらにそっと近づき、川の上流に向かって“ブッタイ”を置きます。次に、草むらを足で踏みながら“ブッタイ”に魚を追い込んで捕まえます。
昭和14年ころには、ウグイ、フナ、ドジョウ、ナマズ、、ウナギなどがたくさんとれ、佐野さんは、ビクやバケツを持って、お父さんの後をついて回りました。ナマズが30匹もとれたことがあったそうです。
当時、3月下旬に堀の清掃を行い、4月10日ころ通水。それから、本格的に魚とりが始まりました。夏は、水浴びをしながらの魚とり。蛍やトンボも飛び交うのどかな時代。佐野さんから、楽しかった魚とりの様子を伺いました。