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【広報ふじ平成4年】ふるさとの昔話

猿(さる)ばんどう
ことしは猿年 猿にまつわる昔話の猿ばんどう。
猿が座っていたと言う大きな岩は昔3メートルはあったそうです。

 大渕中学校の北側に、大渕新田に通じる細い山道があります。道の両側は林になっていて、昼でも薄暗かったので、村の人たちは何となく通るのが嫌でした。
 いつしか、ここに一匹の大猿が住みついてしまいました。大猿はひとりぼっちだったので、よけいに心がすさんだのか、悪いいたずらをするようになりました。
 その大猿はどこで覚えたのか、火打ち石で火をおこすことを知っていました。あるとき、木に登った大猿は、人が通るのをじっと待っていました。すると、荷物をしょった女の人が通りかかったので、「待ってました」とばかりに、火を真上から投げ落としました。びっくりした女の人は、「きゃあ〜」と悲鳴を上げて逃げて行きました。
 大猿は、それがおもしろくてたまらなかったのでしょう。それからというもの、毎日そんないたずらを繰り返すようになりました。大猿のいたずらが、だんだん激しくなってきたので、村の人たちは、とうとう大猿を生け捕りにしてしまいました。
 口々に、「殺してしまおう」と言うのを聞いた大猿は、両手で拝みながら、「もう決して、こんないたずらはしないから」と、涙を流して心からあやまりました。
 殺すのもかわいそうだと思った村の人たちは「今度やったら、もう絶対にゆるさないからな」と言いながら、そのまま放してやりました。心を入れ替えた大猿は、大きな岩の上に座って、道の番をするようになりました。それからは、村の人たちは薄暗い道でも、安心して通れるようになったということです。
そして、この道を“猿番道”(猿ばんどう)と呼ぶようになりました。大渕地区に伝わるふるさとの昔話です。
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