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【広報ふじ平成3年】個性派の道具たち

かじ屋のふいご 18

 今泉1丁目の木内(きうち)せんさん(82歳)の家は、昭和43年ころまでかじ屋さんでした。かじ屋さんの大切な道具である「ふいご」を寄贈していただいたので、今回はこのお話です。
木内せんさん(今泉)
- 写真あり -

 ふいごは、木製です。縦が1メートル、、横が30センチの長方形の帯で、高さは50センチあります。横についている取っ手を、押したり引っ張ったりして箱の中のピストンを動かして風を送る、簡単な送風機です。かじ屋さんでは、火をおこすのに使いました。
 木内さんの家には内弟子が3人いましたが、戦争になって内弟子がいなくなると、せんさんもかじ屋の仕事を手伝いました。ふいごで火をおこしたり、金づちでくわや草刈りがまをたたいたり−。そんなとき、火の玉が飛んで来て「熱いなんてもんじゃあなかった」そうですが、鉄の板に鋼(はがね)をつけてたたくのは一瞬の勝負。熱いのは、ぐっと我慢して仕事をしました。
 せんさんの夫の徳義(とくよし)さんは、「笑ってたら、笑ったような仕事になってしまう」と、仕事にとても厳しい人。だから、農家の人たちはその腕を見込んで、遠くからお弁当持参で農具を直しにやって来たそうです。
 木内さんの家では、かじ屋の神様「金山彦神(かなやまひこのかみ)」を、毎年12月8日に祭っています。
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