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【広報ふじ平成3年】特集・かぐや姫の里物語

富士発かぐや姫の里物語

転入して来た人は、いつも決まってこう言います。
「工業都市、煙突が多い、臭い」などなど。
私たちの町は、本当にそれだけの町なのでしょうか。
そんな、イメージだけなのでしょうか。
皆さんは、かぐや姫の物語はご存じですね。
日本最古の物語の発祥の地は、だれが何と言っても、ここ富士市。
私たちの町は、かぐや姫の里なのです。
そしてまた、歴史とロマンを秘めた町。
もっと自信を持ちましょう。
富士から発信する、かぐや姫の里物語。
今、かぐや姫は、少しずつ大きくなり始めています。
かぐや姫を通じて、地域の再発見と町づくりを目指して旗上げした「FUJIかぐや姫会議」の市民グループ。
中学生が工場の壁に描いた、かぐや姫の壁画の数々。
「姫名」の地名を大切に、初めて「姫名(ひめな)の里まつり」を開いた比奈(ひな)地区の皆さん。
竹採公園の開園を記念した、茶の湯同好会の「季趣茶会」。
姫は、温かくはぐくまれています。
かぐや姫を、大きく育て上げましょう。
町づくりって、そんなことから始まるのではないかしら。
- 写真あり -

夢 ほほ笑んでかぐや姫

杉山由美さん
- 写真あり -

第6代ミスかぐや姫
106人の応募者の中から選ばれる
1970年生まれ・A型
勤務先 リンテック株式会社
趣味 映画鑑賞
好きな食べ物 納豆・茶わん蒸し
★予選も通過できっこないなって思ってました。ふだんはみんなから「黙ってたら」と言われます。だって、よく笑うしおしゃべりだから。

富士に伝わるかぐや姫伝説

「今は昔、竹取りの翁(おきな)という者ありけり」で始まるかぐや姫の物語。全国各地でそれぞれ形を変え、喜びも悲しみも盛り込みながら、地域に根づいて生きています。
 一般的には、かぐや姫は月に帰って行くくだりで終っていますが、私たちの町に伝わる物語は富士山に登って行きます。富士市といえば富士山。御神体は、かぐや姫であるという考え方があるからです。この物語の一つを、紹介します。

 昔、竹取りのおじいさんとおばあさんがおりました。おじいさんは、竹やぶに行っては竹を切り、「かご」や「み」を編んで暮らしていました。ある日のことです。おじいさんが竹を切っていますと、どこからか、赤ん坊の泣き声が聞こえてきました。ふと足元に目をやりますと、光っている切り株の中に、親指ほどの小さな赤ん坊がおりました。二人は「かぐや姫」と名づけて、大事に育てました。
 かぐや姫はすくすく大きくなって、輝くようなそれは美しい姫になりました。やがて国中の評判になり、姫の姿を一目見ようと、毎日長い行列が続きました。さて、この話が都に伝わると、天子様は御殿に上がるよう使いの者をよこしました。けれども姫は、使いの者に会おうともしませんし、立派な贈り物もいただこうとはしませんでした。天子様は、いてもたってもいられなくなり、かぐや姫に会いにやって来ました。そして、姫の美しさに引かれ、一緒に暮らすようになりました。
 二人にとって幸せな日々が夢のように過ぎ、やがて5年の月日がたちました。そんなある日、泣きながら姫が言いました。「大変お世話になりました。悲しゅうございますが、お別れです」。天子様は驚いてわけを尋ねますが、姫は泣くばかりです。天子様は、「私は、決して姫を離しません」と力強くおっしゃって、かぐや姫をしっかり抱き締めました。
 しかし、幾日かたったある日、姫は一つの箱を残してどこかに行ってしまいました。箱の中には、飲んだら絶対に死なない「不死の薬」が入っていました。天子様は、かぐや姫がいなければ不死の薬も要らないと悲しまれ、姫の歩いた道を一心に登って行きました。その道は、富士山の頂上まで続いていました。
 頂上には大きな池があり、他の中には御殿が建っていました。すると、御殿の中からかぐや姫がほほ笑みながら天子様を迎え出て、二人で中に入って行きました。それからというもの、二人の姿をだれも見ていません。
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( 写真説明 ) 興亜工業の塀に描かれた壁画・制作は市立吉原東中学校生徒のみなさん

大きく育てかぐや姫

姫に、熱い思いを寄せて。  FUJIかぐや姫会議 梶田陽子さん
- 写真あり -

 「FUJIかぐや姫会議」の旗上げは、ことしの2月。メンバーは、職種も年齢も違う60人。みんな、かぐや姫に人一倍熱い思いを寄せる人たちです。吉永公民館を拠点にして、活動は、まず自分たちの住む町を見詰め直すことから。
 富士は、いまだに“ヘドロの町”だってイメージがあるでしょう。かぐや姫のことだって、あまり浸透していないようだし。煙突の町のかぐや姫を、もっと自信を持って誇れるものにしたいと考えています。
 私の活動は、物語を語り聞かせる“ストリーテリング”。私たちの町には、かぐや姫の物語もそうですが、民話がたくさんあります。民話から町おこしができないかなと。幸い、小学校に出かけて、授業の中で民話を話すことがあります。かぐや姫の物語は、大体六分くらいです。
 子供たちは、話に聞き入ってくれます。ストリーテリングは、絵のない、頭で考える想像の世界。一人一人の心に、自分だけのかぐや姫ができ上がります。「富士山のどこにいるのかなあ」なんて声を聞くと楽しくなります。


やっぱり、ここが姫の里。  郷土史研究家 鈴木富男さん
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 どうして富士市が「かぐや姫の里」と伝えられているのか、幾つかわけを考えてみました。
 比奈には、土地の人が「竹採屋敷」と呼んでいるところがあって、ここに、「竹採姫」と彫られた卵形の石を載せた小さな塚があります。昔から、ここがかぐや姫の生まれたところだと伝えられ、地名も「赫夜姫(かぐやひめ)」となっています。また、平安時代初期の『和名抄(わみょうしょう)』の中に登場する「姫名郷(ひなのごう)」もこの付近だと思われます。姫名は「雛」とも書きますから、小さな人形とか美しい少女といった意味があります。何か、かぐや姫との深いかかわりを感じてきませんか。
 このほかにも、『古今為家抄(こきんためいえしょう)』や『古今和歌集序聞書(こきんわかしゅうじょのききがき)』には、『欽明天皇御字駿河国の浅間(あさま)の郡(ごおり)に竹取翁(おきな)といふ老人あり…』と書いてあります。竹採屋敷の南側は「籠畑(かごはた)」と呼ばれ、翁がかごをつくったところだとも伝えています。
 「かぐや姫の里」だと名のりを上げる町は幾つかあっても、地名まで残っているのは富士市だけ。文献を調べれば調べるほど、「やっぱり、かぐや姫の里なのだ」という思いが募ります。


私のかぐや姫

清水 怜(さとし)さん
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1929年生まれ。B型。内科医師。比奈地域の牽引車。
「姫名の里まつり」の実行委員長。
★彼女は南方系の美人で、血液型はB型。目の少し細い外交的な性格。まあ、これは僕の説なんだけれどね。


鈴木早苗さん
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1971年生まれ。B型。常葉学園短期大学2年生。ただ今、就職戦線真っただ中。
☆とっても控え目で、古典的な感じの人。自分にはないものを持っているような気がして。タイプの違う人にあこがれます。


服部 誠さん
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1967年生まれ。O型。かぐや姫壁面のある興亜工業経理課勤務。月の初めは忙しく、デートは無理。
★おしとやかで清楚。そういうのはタイプじゃあないね。僕は、□かずが多くてハキハキした人がいい。


立川 明さん
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1920年生まれ。A型。元英語教師。昔取ったきねづか、話し方に説得力あり。
★かぐや姫が、UFOに乗って飛来。広報ふじのビックニュースに、町は興奮のるつぼ。いやあ、思うだけで楽しいですね。


田中数枝さん
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1930年生まれ。B型。市立博物館入口に飾ってある、かぐや姫和紙人形の制作を手がける。
☆衣は、淡い色調がいいんではないかしら。グリーンや薄紫の衣はどうかしら。


多良(たら)洋子さん
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1944年生まれ。A型。娘に温かい人間になってほしいと願う、やさしいお母さん。
☆かぐや姫みたいに、孝行したり思いやりの心って大切ですよね。おじいさんとおばあさんのところに、ずっといればよかったのに。


仁藤隆久(たかひさ)さん
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1976年生まれ。B型。吉原第三中学校の美術部員。デザイン部門に興味を持つ。ひょうきんで人気者。
★顔は卵型で、十二ひとえの似合う人。頼りになるお姉さん。いつもそばにいてくれたらいいなあ。


菊池ふみさん
- 写真あり -
1976年生まれ。B型。吉原第三中学校の美術部員。一見、本を愛する少女風。しかし、その実体は−。
☆全国に名前が知られていてすごい。きれいな人だしあこがれます。明るくて、落ちついた色がいいみたい。


五十嵐隆さん
- 写真あり -
1967年生まれ。A型。車の大手メーカー日産自動車総務課勤務。車は、黒のスカイライン。趣味はドライブ。
★品がいいカーディガンを着て、ドライブに誘おう。行き先は、信州あたりの静かな湖畔。


行動派のあなたにかぐや姫史跡めぐリ

探訪
 あなたのかぐや姫は、どんな人ですか。ことしの秋は、それぞれのかぐや姫を探しに出かけましょう。比奈には、史跡や伝説を訪ねる一周約6キロメートルの「かぐや姫・泉の里コース」があります。まずは、吉原第三中学校美術部の皆さんのスケッチ画で雰囲気をたっぷり味わっていただいて。公民館でマップをもらったら、いざ出発。
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( 写真説明 ) 見返し坂 かぐや姫が、別れを惜しんで幾度も見返った所。 3年 上田正美さん
( 写真説明 ) 竹採塚 妊婦がこの石をなでると美人の赤ちゃんが誕生。 2年 諏訪部清香(さやか)さん
( 写真説明 ) 鑑石(かがみいし) かぐや姫が水鏡にした石だと伝えられています。 3年 斉藤恵子さん
( 写真説明 ) 竹採公園 今にもかぐや姫が出てきそうな雰囲気。 3年 井倉圭美(たまみ)さん
( 写真説明 ) 囲いの道あたり 姫は、この道を通って富士山へ登って行きました 3年 菊池ふみさん
( 写真説明 ) かぐや姫・泉の里コース
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