吸い取られそうな感じね 富士山って
ことしの4月、富士市を永住の地と決めて、東京都西多摩郡檜原(ひのはら)村から石川潔さん(78歳)と喜久さん(71歳)ご夫妻が、松岡へ移って来られました。喜久さんは、押し花の先生としてかなりの有名人。個展では、温かい作品がいつも大好評です。
−どうして富士市ヘ
喜久さん
「私、むだなものは何もないって思う主義。草取りをしたときの雑草や、人との触れ合いを草木に託して押し花にしているの。そんな檜原村での生活が本に載ったら、『どうしたら、あなたのように生きられるんですか』って電話をくださったのが富士市の野田さん。自分を磨くためにやっている押し花を、教えてくれなんて言われて困っちゃったんだけれど、昨年から駅南の公民館で講座を開いたりして。向こうから通ってくるのも大変だし、移って来たのは富士山の魅力と、野田さんご夫妻のお人柄なんでしょうね」
−近くで見る富士山はいかが
喜久さん
「50年前、生まれ育った田園調布からでも富士山は見えたけれど、はるかかなたの山。近くで見ると、まるで泉のように吸い取られそうな感じね。時は移り、時代は変わっても、富士山だけは健在なんだと感概無量でした」
−富士市の住み心地は
潔さん
「川が縦横に流れ、水も豊富だね。檜原村のわき水もおいしかったが、比べると富士の方がおいしいように思う。どこの家も庭木を大事にして、緑がきれいだね」
喜久さん
「富士市に移ったからと言うと、みんな『よかったね』って言ってくれます。新幹線で来ると『こんなに近いの』って」
潔さん
「だけど、JR富士駅と新富士駅の遠いのには困るね。バスに乗ろうとしても、1時間に1本くらいだから」
−ありがとうございました。