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【広報ふじ平成3年】力を合わせて地球を救おう

環境月間5月28日〜7月5日

 地球の環境が悪化するのを食いとめようと世界各国の代表がスウェーデンのストックホルムで、国連人間環境会議を開いたのが20年前。当時本市では、田子の浦港のヘドロ処理が行われるなど、公害全盛の時でした。その後、排出規制の強化、企業努力などにより今では良好な環境になってきました。
 しかし、地球規模ではオゾン層や、熱帯林の破壊など、地球上の全生物の生命を脅かすような事態を迎えつつあると言われています。
 私たちが力を合わせ、地球を救えるだろうか。

忘れないで、星の上に住んでいることを

 地球が誕生したのは、46億年前と言われています。そして私たち人間が誕生したのは、200万年前ごろのこと。地球の歴史と比べると、人間の歴史の短かさを感じてしまいます。
 皆さんは普段の生活の中で、自分が宇宙に浮かぶ一つの星“地球”の上に住んでいることを、意識したことがあるでしょうか。スペースシャトルなどからの映像を、テレビなどで見るとき、感じるかもしれませんが、普段はほとんど忘れていると思います。
 しかし私たちは、そのことを忘れてはならないのです。地球でしか生きられないのですから。


わずか200年で 地球が危機に

 イギリスに産業革命が起こり、人間が機械を使い始めたのは、わずか200年ほど前のこと。この間に機械文明は進み、原子力を使うまでになりました。地球全体を眺めると食料や燃料が不足し、死亡率の高い国もありますが、日本では自動車などの大型消費材を初め、食糧品も豊富にそろっています。
 しかし、製品の原料はすべて、地球という星にある資源。いつか使いきってしまうでしょう。また、物をつくる過程で、大気汚染、水質汚濁、森林破壊などの原因となる物質が排出され、地球環境の危機が叫ばれています。


全世界の人々が 環境破壊に脅かされて

 今、地球の急激な温暖化が心配されています。原因は、工業や農業活動によって排出される、炭酸ガスやメタンガスなどの増加です。このままでは、西暦2030年代には地球の平均気温が、1.5から3.5度上昇すると考えられています。その結果、海水の膨張や北極などの氷の一部が溶けることによって海面が20センチメートルから110センチメートルも上昇すると言われます。この場合、エジプトのナイル川河口では、人口の12%に当たる530万人の住居と、15%の耕地が失われると試算されています。本市でも、標高1メートルの地域は、水没の危険があるわけです。
 さらに、
○スプレーなどに使われたフロンなどによるオゾン層の破壊・・・すべて破壊されると、有害な紫外線がふえ、人も地上では生きていけません。
○酸性雨による森林の破壊・・・煙突などから排出された二酸化イオウなどが酸性の雨として降り、木を枯らす。など、全世界の人々が、地球規模の環境破壊に脅かされ、その対策に迫られています。


力を合わせてできること

 「地球の環境が壊れかかっているって言われても、実感がないし、どうしたらいんだろうか」。そうですよね。でも、普段皆さんがやっている分別収集なども地球のためになっているんです。


資源の再利用

 昭和56年から始まった分別収集。同時に、缶や瓶の資源ごみとしての回収も始まりました。
 みなさんが協力して出した資源ごみが、どうして地球の環境破壊を救うのでしょうか。
 “瓶”は、市内946のステーションから集められ、厚原の三橋商店に運ばれます。そして、そのまま再利用できる瓶と、溶かして再生する瓶に分けられます。再利用は洗うだけ、再生する場合も硅砂・石灰・ソーダ灰からガラスをつくるときの四分の三のエネルギーでガラスができます。
 “缶・金属”も市内の3業者に運びます。アルミの場合、原料のボーキサイトからつくるときの、わずか3%のエネルギーで済みます。また鉄の場合も、15%と大変な省エネになるのです。いずれも、地球温暖化の原因となっている炭酸ガスの発生量を減らし、重油やボーキサイトなど、地球の資源を守ることにつながっています。
 “古紙回収”も地球の森林を守る大きな力になります。
 菓子箱などに使われる白板紙は、裏側の黒い部分に新聞古紙を使います。例えば伝法の望月製紙では、PTAなどが集めた古紙を直接購入し使っています。その量は、年間約100トン。古紙1トンは立木20本分に相当しますので、100トンでは2,000本を守ったことになります。
 また最近は、牛乳パックの再利用も進められています。
「今、古紙の回収率は50%と言われます。さらに10%でも20%でも上げて、森林を守っていきたいですね」とは、望月製紙の望月隆二さんのお話。


下水道は海をも救う

 地球の表面積の7割を占める広大な海も、川からの汚染物資の流入、船などからの油の流出などで汚染が進んでいます。四方を海に囲まれ、海との関係が深い日本にとっても、切実な問題ではないでしょうか。
 下水道は、河川浄化の切り札として着々と整備が進んでいますが、同時に海の汚染防止にも一役買っています。本市の普及率は、現在約38%。毎年2%ぐらいずつ増える見込みです。
 下水道が普及すると、川がきれいになる? 
 早川と幅1メートルほどの水路に挟まれた家に住む遠藤茂作さん(水戸島)は、昭和55年に下水道へ接続しました。遠藤さんのお話しです。「昔の早川の水を知ってるから、まだきれいになったようには見えないね。川の水は富士宮から流れてくる。富士も富士宮も全部できれば。でも、少しずつきれいになっているんだろうな」


地球を守る心を育てる

 毎年、本州の約半分の面積に相当する熱帯林が減少しています。本市の面積の何倍になるのでしょうか。
 市は、樹木の多い公園づくり、鎮守の森の育成、市民緑化祭などにより、市内の緑化に努めています。地球全体のことを考えると、心もとない気もしますが、あわせて、樹木など植物のすばらしさ、大切さも感じてもらえたらと思っています。
 地球の温暖化を進め、森林を減らし、海を汚ごすなど地球の環境を破壊しているのが人間なら、これを回復できるのも人間。小さなことでも力を合わせ、地球を守るという心を、育てることが大切ではないでしょうか。

 問い合わせ 公害課 内線2072
- 写真あり -
( 写真説明 ) 古紙は手前のパルパーで溶解します
( 写真説明 ) 瓶の選別は手作業で
( 写真説明 ) きたない水は出てないよ
( 写真説明 ) 生け垣補助制度を活用しました(伝法の牧野徳三さん宅)
添付ファイル
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
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