酒の違いのわかる男「きき酒」日本一に輝く
内藤啓司(ないとうけいじ)さん(若松町・40歳)
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とーとーやったね。市内のあちこちで、そう声をかけられる内藤啓司さん40歳。日本酒造組合中央会の主催する、全国きき酒選手権大会個人の部で優勝したからです。「その日は、風邪を引いて体調不十分。だから、真剣でした。」
大会には、全国から集まった左党が90人。女性も24人、ソムリエの人もまじっての勝負でした。内藤さんは、5年前に10位入賞。今度は、堂々の優勝です。
決め手は記憶力。きき酒は、トランプの神経衰弱と似ています。二つの部屋に、それぞれ純米、吟醸、甘口など6種類の酒が用意されています。グラスに酒をつぎ、まず色を見、次に香り。最後に口に含んで、舌の上をぐるっと一巡。その酒に何を感じるのか、ポイントをしっかり記憶します。
当日のメモ。「香りなく甘い。さらっとうまい。舌にピリッ。酸味あり」など。自分の好みで部屋ごとに順位をつけます。ピタリと合ったのは、内藤さんただひとり。
酒、浮気してもいい。「うまい酒は何だって聞かれるけれど、自分に合っているかどうかだと思う。3本の酒を買って、一番初めになくなるのが自分にとってのうまい酒。いろいろな酒を冷やか、かんかと考えながら飲むのは楽しいし、自分に合った酒を、合った量だけ。これがぜいたく」。
自宅の居間に『明日から禁酒』の木札。「これ、気に入ってます」と。