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【広報ふじ平成3年】鈴木市長が平成3年度の施政方針を発表

市民の声をきき行動する市政

 鈴木清見市長は、3月定例市議会で平成3年度に向けての施政方針演説を行いました。
 この中で、「これからの都市づくりは、地域の特性や固有の文化を生かして、個性豊かな地域文化を創造していくことが大事」との認識を示し、本年度は「都市(まち)は人が拓(ひら)く」を理念に、「市民の声をきき行動する市政」を基本として、21世紀に向けたまちづくりに積極的に取り組んでいきたいと述べました。今回は、市長の施政方針演説の概要と平成3年度予算のあらましを紹介します。

個性豊かな地域文化を創造

 昨年、私は、平成2年度の市政運営にあたり、市民に開かれた市政の推進を第一に、市民参加による健康で文化的なまちづくりと生涯学習の推進、富士・愛鷹山麓地域の保全と適正な活用、そして行財政運営の効率化の五つの基本理念を掲げ、議員各位をはじめ市民の皆さんのご理解とご協力をいただき、この1年間市政の運営に全力を傾注してまいりました。
 そして、多くの市民の方々に接し、市民各層のご意見を伺ってまいりましたが、これからの市政運営には、多様化する市民意識や大きく変容する社会情勢の中にあって、活力に満ちた魅力ある地域社会を創出するため、市民と行政が一体となって都市課題に積極果敢に取り組むことの重要性を改めて痛感いたしました。
 これからの都市づくりは、単に効率性、機能性が優先する画一的な考え方から脱却し、地域の特性や固有の文化を生かして、個性豊かな地域文化を創造していくことが大事であると考えます。こうしたまちづくりこそが、都市の魅力を高め、魅力ある都市がおのずと人々を引き付けることによって、さらに活力あるまちとして発展を遂げていきます。
 したがって、私は、これからのまちづくりは、そこに住む人々の英知と努力の結集が明日の都市を拓いて行くものと考えるわけです。
 私は、こうした認識に立ち、新年度の市政運営にあたっては「都市(まち)は人が拓(ひら)く」を理念に、「市民の声をきき行動する市政」を基本に置き、21世紀に向けてのまちづくりに積極的に取り組んでまいります。

多くの課題に意欲的に対応

 新年度の施策については、まず行政計画として策定しました富士・愛鷹山麓地域環境管理計画に基づき、富士・愛鷹山麓の自然環境を保全し、市民生活の質的向上のための基盤整備や、来るべき高齢者社会に対応した福祉、保健医療施策などの拡充整備を進めてまいります。
 また、心豊かなまちづくりを進めるための教育・文化や生涯学習の推進、並びに国際化時代の進展に対応した国際交流を推進するとともに、快適な生活環境を確保するための下水道、公園、街路の生活基盤整備や第二東名自動車道計画への対応など都市基盤整備に取り組む一方、こうした多くの行政需要と幾多の都市課題に意欲的に対応するため政策推進室の設置をはじめとする行政組織の改革を実施してまいります。
 なお、次のページでは、新年度の重点施策の概要を五つに分けて紹介します。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 施政方針を述べる鈴木市長

1 自然に恵まれた健康で安心して暮らせるまちづくり

・富士・愛鷹山麓地域の自然環境の保全と節度ある利用について啓発活動を行い、県が取り組むこどもの国や、国が調査を進めている多機能型新都市構想の誘致に積極的な対応をします。
・酸性雨測定局の整備を図る一方、テレメータシステムを更新します。また、排ガス問題の市民啓発として電気自動車を導入します。
・ダイオキシンの対策は、対策協議会と連携して実態を調査し、対応を検討します。
・中央病院は増床とあわせ、本館棟の改修をします。また、外科一次救急診療を行うため救急医療センターの増改築を進めます。
・看護婦不足を解消するため、平成5年4月の開校に向けて、看護専門学校の建設を進めます。

2 思いやりと生きがいのある福祉のまちづくり

・高齢化社会への積極的な対応を図るため、福祉課を高齢者福祉課と障害福祉課とし、より一層細やかな福祉行政を推進します。
・お年寄りが身近に専門家の相談指導を受けられるよう、岩本園の在宅介護支援センターの運営を助成します。
・廃園となる元町保育園を、高齢者介護ホームとし、在宅福祉の増進を図ります。
・寝たきり老人に寝具クリーニングサービス、介護者に、はり・きゅう・マッサージ費用の肋成を行います。
・シルバー人材センターの事務所を改築するため、基本設計を委託します。
・在宅心身障害児(者)や登校拒否児などのために、旧勢子辻青少年の家とその周辺を「富士市ふれあい福祉牧場」として開所します。
・中野保育園を移転改築します。
・高校に在学している母子家庭の生徒で満18歳に達し、児童扶養手当が受給できない場合、助成する制度を新設します。

3 文化性豊かな人づくりまちづくり

・市民の価値観の変化や多様化する文化・スポーツニーズにこたえるため、現在の文化体育課を文化振興課と体育振興課とします。
・文化会館建設と並行して、会館の運営管理のあり方について基本計画を策定し、平成5年11月の開館に向けて準備を進めます。
・平成5年度に富士第一小から分離新設される仮称富士中部小学校の校地造成、校舎設計を行います。
・中央図書館の移転新築に向け用地の確保や建築設計を行います。
・生涯学習を推進し、公民館の整備・充実を図ります。
・米国オーシャンサイド市との姉妹都市縁組の検討や中国嘉興市との一層の交流を進めます。

4 快適で住みよい都市環境づくり

・自治会活動保険加入に対する助成など、地域コミュニティ活動を推進します。
・一部の公民館にファクシミリを導入し、住民票等諸証明の交付サービスを行います。
・魅力ある都市景観を形成するため、景観ガイドプランを作成し、広く市民、事業者への啓発を行います。
・岩本山公園、原田公園などの公園整備に加え、滝川の鎧(よろい)ヶ淵に親水公園の整備をします。
・上水道は安定供給を図るべく10か年計画で、第六次拡張計画を実施します。
・下水道は各処埋区の管網整備を積極的に進めます。
・第二東名の建設で移転対象となる市民の皆さんの要望やこれらにかかわる調査に取り組むため、第二東名対策室を設置します。
・都市整備部に街路課を設け、都市計画街路の整備をより一層進めます。
・予想される東海地震に備えるため、防災体制をさらに充実します。

5 活力に満ちた産業のまちづくり

・県富士工業技術センターを拠点に技術の高度化、製品の付加価値化などを支援し企業の異業種交流を図ります。
・ペーパースラッジ及びその焼却灰の処理対策について研究を進めます。
・吉原東本通り商店街のアーケード設置事業に助成をします。
・商業労政課に観光係を新設し、これからの観光需要に応えるよう観光情報の提供に努めます。
・富士まつりの新曲を制作し、まつりの活性化を図ります。
・企業的感覚を待った自立農家と農業後継者の育成に努めます。
・富士ヒノキのピーアールを積極的に進めます。
・人材確保のため、地元企業のピーアールを行います。


平成3年度 一般会計は620億2,000万円に

 平成3年度の予算編成は、総合計画に掲げる諸施策を積極的に推進するため、諸事業の選択と限られた財源の重点的、効率的配分に努めました。
 財源的には、市税収入において、前年度当初予算に対し、5.7%の増加を見込む等、できる限りの財源確保に努めました。また、歳出では前年度からの継続事業である(仮称)文化会館の建設をはじめ看護専門学校の建設、吉原商業高校校舎改築など諸施策の予算化を図りました。
 新年度の重点施策を「ふじ21世紀プラン」に基づき紹介します。

会計別予算額
予算名       予算額       対前年度比
一般会計     620億2,000万円    107.8%
特別会計     261億3,033万円    100.8%
企業会計     154億9,571万円    110.2%
合計      1,036億4,604万円    106.3%


ふれあいのある快適なまち  128億9,753万円
コミュニティー      5,856万円  公会堂建設補助など
市街地整備     17億3,077万円  土地区画整理事業、第二東名自動車道推進対策事業など
住宅         5億9,683万円  市営住宅建替事業
生活道路       19億472万円  市道新設改良など 
都市計画       26億1,490万円  都市計画街路の新設改良事業
上水道        10億2,072万円  第6次拡張事業など
下水道        49億3,500万円  管渠(かんきょ)整備など
市街地景観        3,603万円  河川緑化事業など


高齢者の生きがいと活力あるまち  5億8,041万円
健康の保持      1億6,741万円  老人保健ヘルス事業
高齢者医療      495万円  老人医療費助成事業
在宅福祉       3億2,633万円  在宅老人サービス事業、ねたきり老人等介護者援護事業
福祉施設       1,000万円  天間荘整備補助
高齢者の社会参加   7,172万円  シルバー人材センター改築事業、老人クラブ活動助成など


心豊かな人づくりのまち  86億9,184万円
幼児教育         1億7,290万円  就園奨励費補助など
義務教育         26億3,550万円  小学校新設事業など
高等学校教育       4億9,450万円  吉原商業高校校舎改築事業、全国高校総体運営費補助
社会教育         3億4,830万円  公民館整備事業など
青少年の健全育成     1億366万円  少年自然の家整備、新青少年の船事業など
芸術・文化        41億9,716万円  (仮称)文化会館建設事業、中央図書館移転改築事業など
文化財保護        586万円  文化財保護事業など
国際文化交流       1億2,194万円  市民友好の翼など
スポーツ・レクリェーション活動の振興事業  6億1,202万円  富士体育館改築事業など


緑豊かな安全なまち    43億3,571万円
みどりと自然       3億6,890万円  浮島ヶ原自然公園や丸火公園の整備、花いっぱい事業など
公園、緑地        17億3,703万円  泉の郷整備など 
風水害の防止       12億5,819万円  河川改修など
地震防災         3億4,340万円  小・中学校のガラス飛散防止事業、避難地整備事業など
消防、救急        2億9,845万円  第8分団詰所の移転改築、消防水利の整備事業など
防犯、交通安全      3億2,947万円  歩道整備など


健康で住みよいまち    43億9,078万円
保健、医療        41億8,389万円  小児成人病予防検診、看護専門学校の整備事業など
環境汚染防止       1億2,589万円  テレメータ整備、電気自動車整備、ダイオキシン対策など
廃棄物処理        8,100万円  一般廃棄物埋立処分


おもいやりのある福祉のまち 26億4,833万円
社会福祉         1億7,683万円  社会福祉センター等運営委託、民間福祉施設整備事業費補助など
児童福祉         4億9,897万円  保育園改築事業など
心身障害者        2億993万円  家庭奉仕員派遣など
障害者の社会参加     8,807万円  障害者福祉都市の推進、ふれあい福祉牧場の整備事業など
母子・父子家庭      9,006万円  母子家庭修学金助成、乳幼児医療費助成など
勤労者          15億8,447万円  勤労者住宅建設資金貸付事業など


いきいきとした産業のまち  30億1,427万円
工業            3億2,235万円  中小企業資金融資など
商業            7億2,870万円  小口資金融資事業など
観光            5,230万円  案内標識の整備など
農業            14億1,386万円  土地改良事業など
林業            4億9,706万円  林道整備事業など
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