人を変え、人を育てる本を信じ「広見文庫のおばさん」で頑張る
宮崎久子(みやざきひさこ)さん(中野)
広見文庫のおばさん。
宮崎久子さんが、広見文庫のボランティアを始めてから11年。子供たちから“文庫のおばさん”と親しまれ、午後1時から四時までは、本の貸し出しや読み聞かせで過ごします。「かばんの中に、童話の本が2冊から3冊。いつも本と一緒です」。
宮崎さんは、静かで穏やかな雰囲気の人。ゆっくり言棄を選びながら話します。本の読み聞かせのときも、「自然に話します。その方がなんだか、物語が直接子供の心に溶け込んでいくような気がしますから」。
違いを認め合う国。
2年前、宮崎さんは県の婦人活動研修団員として、ニュージーランドを訪問。文庫のおばさんを行動に駆り立てたのは、一冊の本、「クシュラの奇跡」。
障害を持つ女の子クシュラが両親の読み聞かせによって、次第に目覚めていく過程や、遠くに通えないクシュラたち6家族の子供たちのために学校をつくってくれた政府のことなど。
「違いを認め合い、こんな対応のできる国を見てみたかった。あこがれでした。富士市では、私が四人目。経費の半分は私費だから、大勢の人が参加できるように市の応援を期待します」。
人を変え、人を育てる本。
「本は私の先生。私の子供たちも、本が育ててくれたと思っています。今の活動は、本への恩返しみたいなもの。あそこは楽しかったなあって、成長した子供たちがまた遊びに来てくれたら、とてもうれしい」。