寒い夜の一家団らんは、なんといっても、こたつ。
おじいちゃんもおばあちゃんも子供たちも、みんなそろってこたつに当たれば、家族のぬくもりが伝わります。
ミカンを食べたり、かるたをしたり、昔話を聞いたり、こたつを囲んでそんな楽しいお正月を過ごしたお宅も、多かったのではないでしょうか。
猫ごたつ
富士岡の本多澄江さんのお宅からは、昭和29年に買ったという「猫ごたつ」を、市立博物館へ寄贈していただきました。
描ごたつは、電気で暖をとるのではなく、中に、まきの燃え残りの「おき」を入れます。このおきの入れ物が、ちょうど猫が背を丸めているような形なので、こう呼ばれているようです。
やぐらは、34センチメートル四方で、ヒノキでつくられています。小さなこたつですから、持ち運びには便利です。
澄江さんがお嫁に来たとき、家族は13人。長男だったご主人の兄弟は、男ばかり7人。一番下の子供は、まだ6歳でした。猫ごたつは、もっぱら子供たちの専用。学校から帰ると、杉の葉っぱを燃やして、消し炭に火をおこします。母家にもこたつはあったのですが、子供たちはいんきょ部屋で、猫ごたつに当たりました。
「勉強したり、けんかもしたり、そりゃあにぎやかでした。だから、今でも兄弟仲はいいですよ」と、澄江さんは、とても楽しそうに話してくれました。
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( 写真説明 ) 小さな猫ごたつと澄江さん