「随筆の部」で、市民文芸賞を2年連続受賞
小池(こいけ)ヒロ子さん(柚木)
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市民文芸賞を連続受賞。
「60歳くらいの男性を創造するみたいですよ。私の文章って。話しながらとてもおもしろそうに笑う小池ヒロ子さん。昨年に引き続いて、ことしも随筆の部で市民文芸賞を受賞しました。
昨年の作品は、晩秋の実相寺境内とその裏の岩本山に登り、自然と一体化できた喜びを描いた「この身に秋を」。ことしは、末期がん患者たちが短冊に託す“生”への血を吐くような叫びを描いた、「七夕」。
「連続受賞は、ラッキーだったと思います。審査員の先生と、波長が合ったということでしょうか。自分の書いたものがどこまで通用するのか、これからが怖い。」
完熟の時を待つもの。
随筆は、原稿用紙で7枚が基準。小池さんは、締め切り間際、胸の内にあふれ出すものを一気に書き上げます。書かれたものは、むだな飾りを省いた、書かずにはいられなかった事だけ。
また、人となりがそのまま表れるのも随筆。小池さんの作品の中には、いろいろなものが同居しています。スケールの大きい男性的な面やきちょうめんさや温かさや− 。
「本当は、好奇心の塊だし、そそっかしくて忘れんぼうなんです。だから、ゆっくりと物事を見るようにしています。ゆっくり考える。ゆっくり歩く。それだけで、新しい発見ができます」。
今、小池さんの心の中に住みついた“新しい発見者たち”が、ふつふつと完熟し、次の出番を待っています。