ちょうな(手斧)は、70種類はあると言う、大工道具のひとつです。
「いい道具を使うのは自分のためだし、ちょっとくらい高くてもー生もんの道具が欲しい」と、昔の大工さんたちは、大切に扱ってきました。
ちょうな
久沢の佐野幸市さん70歳のお宅は、幸市さんで13代続いてる旧家。名字帯刀を許され、サトウキビで砂糖をつくっていたので、屋号を「砂糖の家」と言いました。今でも時たま、屋号で呼ばれることもあるそうです。
見せていただいた“ちょうな”は、150年くらいたっていますから、江戸時代の天保のころのものです。大勢いた使用人が使ったのでしょうか。それとも、出入りの大工さんが使ったのでしょうか。
柄の部分は、直径2.5センチの丸い木で、刃に近い方は曲げてあります。この木はよくかまの柄に使われるので、和名は、「カマツカ」また、別名「ウシコロシ」とも呼ばれ、かたいけれど弾力のある木です。刃の部分は、横幅が10センチあります。
ちょうなは、木を削る道具です。力を入れながら自分の足に向かって刃を振ります。スパッスパッと削っていくには、よそ見してたら自分の足を切ってしまいますから、油断はできません。自分の足元をにらんで、注意深く使います。
今は、電動工具の時代。もうめったに使われることもありません。
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( 写真説明 ) 佐野幸市さん
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