厚原中の朝日地蔵さん
8月19日は厚原中区の朝日地蔵さんのお祭りでした。区民をあげて大切にされている朝日地蔵さんについて、区長の秋山勝雄さん(67歳)に伺いました。
秋山勝雄さん
- 写真あり -
( 写真説明 ) 朝日地蔵
- 図表あり -
牛馬の冥福(めいふく)を祈る
昔々のことです。現在の市立厚原保育園のあたりは一面の畑でした。トラクターや耕運機のない時代のことですので、多くの家では牛や馬を飼い、農業の大切な労力としていました。
牛や馬は大切にされていましたが、死んだ時、人々はその捨て場に困りました。
そんな時、捨て場所となっていたのが、お地蔵さんのある場所です。だから最初、お地蔵さんは「捨て場の地蔵さん」と呼ばれ、左右にある馬頭観音とともに、牛馬の冥福を祈る場所とされていました。
雨よ降れ
ある時、日照りが続き、農作物はもちろん飲み水にも困るようになりました。
人々は、わらにもすがる気持ちで、うちわ太鼓をたたきながら一晩中お地蔵さんにお祈りしました。すると翌日、急に雲がわいたかと思うと雨が降り出しました。人々は大喜びで、お地蔵さんにお礼を言いました。
朝日をいっぱいに
そして、いつしか「捨て場の地蔵さんでは聞こえが悪い。お地蔵さんは東を向き、朝日をいっぱいに受けるので、朝日地蔵と呼ぼう」と言うようになり今に至っています。
いろいろな御利益
秋山さんは「幼児の夜泣きやカンの虫を初め、いろんな御利益があります。先日も歩けなくなった人が、歩けるようになったという話を聞きました。お礼の千羽鶴などがたくさん上げられています。毎年8月23日に近い日曜日には、盛大に祭っています」と語ってくれました。