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【広報ふじ平成2年】ふるさとの昔話

宮島 やな場のお地蔵さん

 新富士駅から西へ五分ほど歩いた住宅地の中に「やな場の地蔵さん」と呼ばれる石仏があります。
 今回は、宮島の大石武夫さん(75歳)と吉川彦太郎さん(69歳)に、このお地蔵さんの話を伺いました。
大石さん(右)と吉川さん
- 写真あり -

やなにかかった地蔵

 木・竹などで川を遮り、魚をとる仕掛けをやなと言います。
 昔、富士川がとても暴れん坊のころ、宮島地区には幾つもの川があり、やな漁が盛んでした。
 大雨の降った翌日のことです。漁師がやなへ行くと、何か大きな物がかかっているではありませんか。「よいしょ」と引き上げると、それは50センチぐらいのお地蔵さんでした。
 どこから来たのかわからないのでそのままにしておくと、毎晩小僧が出てさて火をたいているといいます。しかし、朝確かめると火をたいたあとなどありません。不思議に思った村人たちは相談して、そのお地蔵さんを祭ることにしました。


移転で続く不幸

 時はたち、村人は宮島下の観音様と一緒に祭った方がよかろうと、場所を移しました。
 ところが、それから急に、子供が病気になったり、病気の人は治らなくなるなど、不幸が続くようになりました。どうしてだろうと思っていると、あるおじいさんの夢にお地蔵さんが2回もあらわれました。
 それを聞いた村人は、お地蔵さんが元の場所に帰りたがっているに違いないと思い、元に戻しました。すると、不幸がピタリとなくなりました。


8月23日がお祭り

 大石さんと吉川さんは「お地蔵さんは山梨県から流れて来たらしいね。8月23日がお祭りで、昔はごちそうをしたりして楽しみでした。今は周りの人で行っています。お地蔵さんを動かしたのは戦争中で、実際不幸が続き困ったよ」と語ってくれました。
- 写真あり -
( 写真説明 ) やな場の地蔵さん

- 図表あり -
( 図表説明 ) 地図
添付ファイル
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