昨年12月に実施した「第18回世論調査」の結果がまとまりましたので、その概要をお知らせします。今回のテーマは「国際交流について」です。
いま、私達のまわりでは急速に国際化が進んでいます。こうした社会の変化に富士市民はどうしていったらよいのか、また市はどのような対応をすべきか真剣に考えていかなければなりません。そこで市民の皆さんが国際交流についてどのような考えをお持ちかお聞きしました。
調査は、住民基本台帳から無作為抽出した3,000人の皆さんにお願いしました。
●回収結果●
◎調査対象者 3,000人
◎回答者 1,404人
◎回収率 46.8%
*結果は百分率で表示しました。表示した百分率は少数点以下第2位を四捨五入してありますので、合計が100にならないことがあります。
Q-1 ■あなたは、最近日常生活の中で外国とのかかわりを感じますか。
Q-1-1■「よく感じる」、「ときどき感じる」と答えた方に伺います。それはどんな理由からですか。
感じています国際化の予感
問1では市民が日常の暮らしの中で外国とのかかわりを感じているか尋ねてみました。最も多い回答は「ときどき感じる」で41.7%、続いて「よく感じる」32.3%「あまり感じない」18.7%の順になっています。この上位2位までの合計で74%を占め、多くの市民が日常生活で海外の影響を感じていると言えそうです。
- 図表あり -
こんな身近に外国が…
次に「よく感じる」、「ときどき感じる」と答えた74%の人にその理由を尋ねたところ、「テレビや新開、雑誌」が35.7%と報道によるものが一番多く、続いて「食品、衣料、雑貨等の輸入品がふえたから」が21.2%、「町や職場で外国人を見かけるから」10.5%、「家族や友人の海外出張・長期滞在」9.1%の順となっており、日常生活のさまざまな場面に国際化が深く入り込んでいることがうかがわれます。
- 図表あり -
Q-2 ■あなたは、外国へ行ったことがありますか。(ただし、戦後に限ります。)
Q-2-1■「ある」と答えた方に伺います。外国へ行った目的は何ですか。
Q-2-2■「ない」と答えた方に伺います。あなたは、外国へ行ってみたいと思いますか。
20歳、30歳代の市民の約半数は海外経験者
戦後、海外へ行った経験があるか尋ねたところ「ある」は35.7%で前回、昭和54年の調査15.4%の2倍以上となっています。これを、年齢別でみますと20歳代47.4%、30歳代49%と全体を大きく上回り、おおむね2人に1人が海外を体験していることになります。
- 図表あり -
行ってみたい、いつかきっと行く外国。
次に、海外経験のある人に渡航の理由を尋ねてみたところ、「観光」が76.8%で圧倒的に多く、続いて「仕事」9.6%、「視察」7.8%の順でした。
また、海外経験のない人に今後、外国へ行きたいかどうか尋ねたところ、「行きたい」が67.7%となっており、市民の外国への関心の高さがうかがわれます。
- 図表あり -
Q-3 ■あなたは、外国人の友人や知人がいますか。
Q-3-1■「いる」と答えた人に伺います。そのきっかけは何ですか。
私は外国人の友人がいます
国際化が進み、市民の中にも外国人と知り合う人がふえています。
問3で「外国人の友人や知人がいますか」という質問をしたところ、15.8%の人が「いる」と答えています。
これを、職業別でみると自営業が19.6%、会社員が18.7%、また、年齢別では、20歳代19.4%、30歳代19.8%、40歳代17.4%とそれぞれ全体を上回っています。
- 図表あり -
きっかけは、仕事で、旅行で、留学で
前問で「いる」答えた人に外国人と知り合ったきっかけを尋ねたところ、「仕事で」が最も多く36.5%、続いて「旅行で」12.2%、「外国語教師として」8.1%の順となり、仕事をきっかけとした交流が主であることがわかります。
これを男女別でみると、「仕事で」は男49.2%、女19.1%、また外国語教師として」は男2.3%、女16%となっていて、きっかけには男女差があるようです。
- 図表あり -
Q-4■「国際交流」と言う言葉から何を連想しますか。
「国際交流」は、ふれ合い・助け合い
「国際交流」からの連想は、「スポーツ・文化交流」19.7%、「海外援助・協力」14.1%、「姉妹都市提携」12.5%、「平和」12.4%の順でした。このことから、ふれあい、肋け合いが市民の「国際交流」に求めているイメージと言えそうです。
また、年齢別でみると30歳、40歳代では「スポーツ・文化交流」が、60歳、70歳代では「平和」の比率が高くなっています。
- 図表あり -
Q-5■あなたは、市が海外派遣事集への援助、友好都市提携促進等いろいろな国際交流事業を行っていることを知っていますか。
Q-6■あなたは、今後こうした事業に参加してみたいと思いますか。
知っていますか市の国際交流事業
市役所には、国際交流室かあって国際交流に関係する事業を行っていますが、全体の59.2%の市民がこうした事業を知っていました。また、全体の36.3%の市民が、今後国際交流にかかわる事業に参加したいと思っています。
- 図表あり -
Q-7■近年、研修や留学、仕事等で富士市を訪れる外国人がふえていますが、あなたはホームステイ(外国人を自宅に宿泊させて生の交流をはかる)をさせてみたいと思いますか。
ホームステイ、させてみたい。でも…
外国人を自分の家に宿泊させて生活を共にすることは、お互いの国の習慣や文化を理解し合う上で最も有効な手段の一つと言えます。
問7では、このホームステイについて、経験してみたいと思うかどうか尋ねました。全体では「やってもよい」31.8%、「やりたくない」39.5%、「わからない」28.7%の比率でした。
これがホームステイを既に経験した人になると、「またやってもよい」が71%にもなります。一度は経験してみたいと思っている人は、ぜひチャレンジを!
- 図表あり -
家族そろってもてなしを
問7の回答を家族構成別でみると、「やってもよい」で最も多いのが三世代(親と夫婦と子供)家族で34.8%、続いて二世代家族と単身が33.3%となっています。逆に「やりたくない」では夫婦だけが51.1%と際立って多くなっています。
- 図表あり -
Q-8■外国人に富士市アピールするとしたら、あなたは何をあげますか。
何んてったって富士山
外国人に接する機会があったとき、あなたは自信をもって富士市を紹介できますか。そして何をアピールしますか。
問8の回答は何てったって富士山、全体の45.2%を占めました。次が「温暖な気候」19.3%で、両者を合わせると「富士市の自然環境」をあげた人が64.5%に達しました。
- 図表あり -
Q-9■富士市には、民間団体である富士市国際都市交流協会があり、外国との文化・スポーツ、経済交流などが行われていますが、今後の国際交流はどのような形で進めていくべきだと思いますか。
国際交流は二人三脚で
問9では、これからの外国との交流スタイルはどうあったらよいか尋ねました。
回答では「行政と民間が一体となって進めていくべきだ」が73.2%と際立っています。続いて「行政が中心で」8.3%、「民間が中心で」7.7%の順でした。
- 図表あり -
Q-10■市は現在、欧米諸国との友好都市提携を検討していますが、あなたはどこの国がよいと思いますか。
実力のアメリカ、人気のオーストラリア
市は欧米諸国との友好都市提携を検討しています。そこで、皆さんの希望する国を尋ねてみました。
結果は「アメリカ合衆国」17.5%、「オーストラリア」14.6%、「カナダ」12.7%、「スイス」8.3%の順でした。これを昭和54年の調査と比べると、依然としてアメリカ合衆国の人気が強いことや、オーストラリア、ヨーロッパ、ソ連への関心が高まっていることがわかります。
- 図表あり -
Q-10-1■では、その国のどんな都市がよいと思いますか。
どんな町?海の向こうのパートナー
次に、皆さんの希望した国のどんな都市をパートナーに選びたいか尋ねました。
一番多かったのが「観光都市」で全体の33.7%でした。続いて「工業部市」の21.1%、「文教都市」19.7%、「農業都市」9.4%の順となっています。これを、昭和54年の調査と比べると「観光都市」が著しく伸び、一方「工業都市」は31.7%から10%強ダウンしています。経済成長からくる市民の心の変化がうかがえます。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 全体
( 図表説明 ) 昭和54年度・世論調査との比較
Q-11■今後、外国とのかかわりが深まってきた場合、あなた自身はどのような対応をしていきたいと考えていますか。
語学をマスターして本当の富士市を伝えたい
これから、外国とのかかわりがますます深まってくると考えられますが、そうした折には市民の一人としてどのようにこたえていくのか尋ねてみました。
最も多かった答えは「簡単な会話ぐらいできるよう外国語の勉強をしておきたい」で16.4%、次が「日本の習慣・伝統のよいところを正しく伝えたい」で16.2%、「日頃から外国の社会、経済、文化等の正しい知識を身につけたい」15.4%の順でした。このことから市民個人としては、語学を学び、外国を知り、そして富士市を知ることだと言えそうです。
- 図表あり -
Q-12■これからも外国との交流を深めていくためには、市は何から実行していくべきだと思いますか。
まず、文化・スポーツ交流を、それと外国人教師をふやしてほしい
問12では、外国との交流を深めていくために市としては何から実行していくべきか尋ねてみました。結果は「学術や文化、スポーツ等の交流をはかる」が17.3%で最も多く続いて「外国人との交歓会や海外派遣の機会をふやし、市民の国際感覚を高める」16.7%、「外国人教師を積極的に採用するなど語学教育に力を入れる」14.9%の順となっています。
- 図表あり -
町のデーター・まちの声
田子の浦港は外国人がいっぱい
国際貿易港・田子の浦港には、年間2,600人もの外国人が入港しています。
外国人が急増しています
富士市に住む外国人は2月末現在で742人です。最近2年間で約260人もふえています。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 外国人登録推移
ホームステイで知った本当のもてなしの心
ホームステイは初めての体験でしたから、私たちに少し気負いがありましたね。ああもこうもしてあげたいってね。
でも大切なのは、相手の意向をよく聞いてそれに応じてやることなんだなと思いました。それには語学の勉強も必要ですね。
- 写真あり -
( 写真説明 )ホームステイ初体験鈴木さん一家(富士岡)
- 写真あり -
( 写真説明 ) 富士市のアピール度No.1は何といっても富士山
(友好都市提携の候補は)
- 写真あり -
( 写真説明 ) 実力のアメリカ
( 写真説明 ) 人気のオーストラリア
妻は仕事で私は友人をふやすため
田中哲文・佳子夫妻(松岡)
- 写真あり -
妻と二人で英会話のレッスンを受けています。妻は外資系のコンピューター会社ですので英語が不可欠なんです。
私は、外国人教師や教室での人との出合いを大切にしたいと思っています。
日本の四季にあこがれて
斉藤アンナさん(横割)
- 写真あり -
私の国、シンガポールは常夏です。だから以前から日本の四季にあこがれていました。
日本の人は外国人=欧米人で外国語=英語と考えがちですがもう少しアジアの人たちを見つめてほしいですね。私の国では公用語が英語ですので小学生から勉強していますよ。
言葉の壁を心で越えよう
木戸裕子さん(田子浦中学校)
- 写真あり -
一昨年の夏、アイルランドに単身赴任している父に会いに行った折、家族でフランスを旅したときのことです。フランス人は自分たちの国や言葉に誇りを持っているので、日本語ははもちろん、英語もほとんど通じず、歯がゆい思いをしました。
日本人と話していてさえ(私の気持ちを本当にわかってくれたのかしら)と心配になるのに異なった言語を使う国の人同士が相手の気持ちを理解しきるには、かなりの努力が必要です。
今、私達の世界では地球規模の様々な問題が続発していますが、世界の国々が一つになって考え、言葉のへだたりは互いを理解しようという気持ちで埋めあって、美しい地球を破滅から守らなければなりません。
私は、学校で英語を学んでいますが、将来できるかぎりの国の言語を身につけ、世界が理解と協力の上に一つになる日をめざしていきたいです。(国際理解・国際連合協力県本部賞作品から抜粋しました)
富士市国際とし交流協会を訪ねて…
経済、文化・スポーツなどの国際交流に活動の輪を広げている富士市国際都市交流協会。
今回の調査でもこうした活動に参加を希望する市民が全体の36%以上もいました。そこで、私たちがどのような形で交流活動に参加できるのか、協会常任理事の関政雄さんに伺いました。
レポーター 松永真理子さん(今泉)
- 写真あり -
国際交流協会常任理事 関 政雄さん
- 写真あり -
協会への入会はいつでも大歓迎です
―― 協会にはだれでも入会できますか。
関
・国際交流に御理解のある方でしたらどなたでも大歓迎です。
―― 一市民として参加できる活動にはどのようなものが…
関
・全員の皆さんにボランティアをお願いしているわけですが、このボランティアには、通訳、ホストファミリー、コオ・オペレイターがあります。
―― コオ・オペレーターとは
関
・英語で協力者と言う意味です。外国との交流会や各種のイベントのお手伝いをしていただく皆さんで、こうした位置づけは富士市独特のものなんです。
―― 私も参加できそうですね。
関
・ぜひ、お願いします。
早く実現したい英語圏との友好都市提携
―― 英語圏との友好都市提携が話題になっていますが…
関
・そうですね。早く実現したいですね。昨年、通訳ボランティアの皆さんの協力で英語版観光マップをつくりましたが、今後もこうした活動を通じて受入れ体制を整えていきます。そのためにも国際交流基金の設置が必要ですね。
―― 国際都市交流協会のモットーとは何でしょうか。
関
・一言で言えばホスピタリティ(受入れの心)ですね。国際交流とは、つまるところ人と人との出会いですからね。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 3月10日に行われた国際交流フェアー
問い合わせ 電話52-0995(富士商工会議所)