中里の妙見(みょうけん)さん
3月14日は、中里4丁目にある本妙寺の妙見さんの大祭です。今回は妙見さんのお話を郷土史家の鈴木富男先生(中里町3・86歳)に伺いました。
鈴木富男さん
- 写真あり -
星の王様北極星
磁石も地図もない昔々のことです。人々は夜空に輝く北極星を見て東西南北を知り、旅をしました。
そして、満天にきらめく無数の星が、北極星を中心に回っていることから、人々は北極星をたくさんの星の王様と考え、信仰をするようになりました。
また、北極星のそばには、ひしゃくの形をした北斗七星があります。人々は北斗七星の向きで季節を知り、農業の目安としていました。ですから、北極星と北斗七星は、生活に強く結びついていたのです。
お釈迦様が菩薩の位を
そのうち、「こうしていろんな事を示してくれる北斗七星は、北極星が姿を変えて私たちに教えてくれているに違いない」と考えられるようになりました。
そこでお釈迦様は、人のために役立ち、多くの人を救ってくれる北極星に菩薩の位を与えました。
今でも続く妙見講
本妙寺の妙見さんは、明治時代に大阪の能勢(のせ)から迎えたものです。高さは30センチぐらいで、右手に剣を持ち、亀の上に座っています。
この形は能勢の妙見様と同じで本妙寺の書物によれば、「朝日妙見大菩薩」という名がついています。
本妙寺の周りには昔から信心深い人が多く、今でも妙見講に属する40人ぐらいのおばあさんが、毎月14日に供養を続けています。お寺には、祭りに配ったお札の股木なども残されています。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 地図
- 写真あり -
( 写真説明 ) 妙見さん