富士駅北地区の塔の木に高さ70センチぐらいの六面地蔵があります。今回はこの子育て地蔵さんの話を区長の井出甚作さんを初め地元の皆さんに伺いました。
流れ着いた地蔵さん
昔々のことです。塔の木の川にお地蔵さんが流れ着きました。お地蔵さんは、この辺ではあまり見られない6つの顔と体を持つ六面地蔵でした。
拾い上げた村人は「これは霊験あらたかに違いない」と、田んぼの土手に立て、子育て地蔵として村で大切に祭りました。
みんなでほこらを建設
時は過ぎ、昭和の初めころのことです。村の大地主のおばあさんの夢まくらに子育て地蔵があらわれました。そして「大事にしてもらってありがたいが、長いこと風雨にさらされたままでいる。屋根をつけてはもらえないだろうか」と言いました。
おばあさんは目覚めると、早速近所の人たちと相談し、ほこらを建てることにしました。とは言っても、その費用がありません。
村人たちは相談をし、たまたまその当時、御詠歌を習っている人が多かったので、御詠歌を歌いながら寄付を集めることになりました。人々は村中総出で、富士や田子の浦の方まで行き、数年後やっとほこらができました。
そして現在に至るまで、塔の木の人々は「子供がすくすく育ちますように」と信仰を続けています。
今でも大切に
毎月23日には地区住民が交代で掃除をし、お経を上げています。特に8月23日はお祭りでお参りに行くと、子供は紅白のだんごがもらえるとか。
今は区画整理のため、一時的に移設されています。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 話してくれた皆さん
( 写真説明 ) 子育て地蔵さん
- 図表あり -
( 図表説明 ) 地図