いびきは睡眠中の呼吸による空気の乱れによって起こる雑音です。風の強い時に旗がバタバタと音をたてるのと同じように、鼻やのどを通る空気がのどの奥の薄い部分を振動させて起こします。
鼻の炎症や蓄膿(ちくのう)症と呼ばれる副鼻腔に炎症のある人、アデノイドや偏桃腺(へんとうせん)が大きい子供、太っているためにのどが狭い人、のどの奥の膜の様な部分が薄い人がいびきを起こしやすい人たちです。また過労や酒の飲み過ぎ、深い眠りや老人でのどの筋肉に張りのない場合などもいびきは起こります。
これらのいろいろな原因が複合して、隣の部屋まで響くような強大な音が出ることがあります。あおむけに寝ていびきをかいている人を横にしたり、揺り動かしたりするととまるなどの経験があると思います。これは横に寝ると、のどの広さが変わったり、揺り動かされて睡眠が浅くなり筋肉の張りがもどるためと思われます。枕の高さを変えると静かになるのも、のどの広さと空気の流れがスムースになるためです。
治療は、原因となる疾患を治し、肥満や深酒などに気をつけるようにし、また寝る姿勢にも注意してみてください。 <富士市医師会>