近年、日本でも年々心臓病が増加しており、中でも心筋梗塞や狭心症などの冠動脈の異常によるものが多くなっています。冠動脈とは心臓の周囲を取り巻き、心臓の筋肉に血液を送っている血管で、これに異状を起こすと心筋に血液が行かなくなり大変なことになるわけです。冠動脈が詰まりかかっている状態が狭心症であり、完全に詰まると心筋梗塞になります。主症状は胸の痛みですが、胸が絞めつけられるように感じるとか、また、のどが絞めつけられる、みぞおちが痛む等いろいろあります。狭心症であれば、2〜15分ぐらい続いておさまることか多いのですが、心筋梗塞だと30分以上続きます。同じ胸の痛みでも1・2秒ちくちく痛むとか、軽い痛みが1日中続くような場合は、まず心臓の痛みではありません。狭心症は心筋梗塞の前ぶれのことが多いので、痛みがおさまったからいいと軽く考えず必ず診察を受けてください。
最近は、細くなった冠動脈を広げる薬を初めとして、冠動脈を内側から小さなふうせんで広げる、バイパスをつくる等、種々の治療法が発達していて未然に心筋梗塞を防げるようになっています。
心臓病にならないためにはまず好き嫌いなく、腹八分目の食事をとり、たばこは吸わず、体をよく動かして、仕事はあまり無理をせずアルコールは適量にして、できるだけストレスを少なくすればよいでしょう。 (富士市医師会)