鞭打ち損傷とは、頚部が衝撃的な振れ方をすることによって生じる障害で、振りおろされる鞭のフレに似ているところから名づけられました。
車社会になって多く見られるようになってきましたが、最近はシートベルト兼用の実施によりかなり減少しています。
症状は一般に、首の後ろや肩の痛み、手のしびれ感や脱力感を感じる軽症のものから、涙が出る、まぶしい、新聞などを読んでいるうちに目がかすむ、耳鳴り・頭痛・めまいがするなど目や耳に症状の出る治療困難なものまであります。外傷当時には症状がなくて、2・3日してから出てくる場合が多くみられます。
追突・衝突車故当時は、鞭打ち損傷になったか否かの判断がつきにくい事もありますので、その日はできるだけ早く帰宅して、枕を低くしてあごを引くような位置で首の筋肉をやわらげ、神経を圧迫から守るようにして水枕を用いるのもーつの方法です。入浴についてもシャワー程度にしておくペきです。その後、種々の症状があれば専門医に相談してください。
幸いにして症状が出なくても、10日前後は長時間の読書や書き物など、あまり無理をしないように注意したいものです。 《富士市医師会》