伝法の千代田町にある三十番神社は、神社であるのに仏式でお参りをします。今回は、この三十番神社のことを、伝法2丁目の芹沢寿夫さん(67歳)と千代田町の吉岡義信さん(61歳)に教えていただきました。
芹沢さん(左)と吉岡さん
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お堂の中に厨子(ずし)
弥生通りと伝法沢川が交差する信号を北に歩くと、左手に木立ちに囲まれた小さな神社があります。
これが、三十番神社で、地域では「番神さん」と呼ばれています。
お堂は古いながらも、よく管理されており、中は格子の手前が外陣、奥が内陣になっています。
内陣には、間ロが160センチ奥行さが220センチの厨子があります。この厨子は、つくられてから100年以上たっているというだけあって荘厳です。
三十番神は、この中に整然と鎮座しています。一体は10センチ余りで塑造、神々しいお顔は、一見すると同じようですが、30体それぞれ微妙な違いがあります。
神社の前でお題目
三十番神とは、法華経の守護神で、1か月30日を毎日交代して守る神様です。
お堂の前には大きな鈴もぶら下がり、れっきとした神社ですが、お参りをする人々は「南無妙法蓮華経」とお題目を上げます。
芹沢さんは 「明治以前は寺と神社は密接な関係だったので、番神さんは近くの妙覚寺の境内だったんしゃないかな。その名残でお題目を上げるのでは」と語ります。
また、お堂の中には文久元年(1861年)と明治時代の俳句の額もあります。
こうした点から、この地域の先人の信仰心や文化活動の高さを推しはかることがでさます。
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( 写真説明 ) 三十番神さん