私たち日本人は、四季折々の草花など自然をこよなく愛し、潤いに満ちた文化を育ててきました。しかし、住宅の高層化等により、庭を失い土に親しむ機会が少なくなりました。そんな私たちにとって、ベランダは自然に親しみ花を作る大切な空間といえます。ベランダを色とりどりの花で飾り小さな自然を手に入れることは、私たちの心にやすらぎと憩いを与え、また、街全体も美しい景観となります。
<外国のベランダ園芸>
ベランダを草花で飾る習慣は、日本は欧米より100年遅れているといわれています。花の飾り方も、家の中から眺めた時にきれいに見えるよう飾りますが、欧米では家の外側から眺められるように飾り、街の景観を大切にしようという考え方を基本に持っています。
建物自体のつくり方でも、日本の高層住宅の場合、ベランダで草花を植えようとすれば、プランターなどをわざわざ置かなければなりませんが欧米の高層住宅のベランダには初めからプランターや鉢を置くスペースが設置されています。
欧米を旅した人が、ベランダや窓辺の花(ゼラニューム)の美しさに感激し、日本に帰って育ててみたら余り綺麗に咲かなかった…などの話を聞くことがあります。これは、湿度の高い日本の気候のせいであると思われます。
ベランダの環境・栽培条件などを良く頭に入れて、窓辺で草花を育ててみませんか。『パート2・飾り方デザイン』は9月5日号です。