以前から、特殊な食事をするお相撲さんに痛風が多いことは知られていました。ところが、最近は飽食の時代と言われるように食物に恵まれ、ビールやお酒がすぐ手に入ることなどから、痛風にかかる人がふえてきました。
痛風は尿酸が血液中に増加し、主に足の親指のつけ根の関節に結晶となって沈着し、関節炎を起こすものです。患部は桃色に大きく膨れあがり、風が当たっても痛いほどです(痛風発作)。中年の男性に多く、女性には非常に少ない傾向にあります。
治療は血液中にふえた尿酸を薬で正常な値にコントロールすることです。
食事で注意することは、尿酸の元になるプリン体を含む食物を避けることです。肉や臓物(ぞうもつ)類、大豆などにはプリン体が多く、野菜や米穀類は少ない方に属します。
痛風の発作がおさまると、病気が治ったと思い治療をやめてしまう人がいますが、これは間違いです。尿酸値を高いままに放置すると、発作と発作の間隔が短くなり、やがて腎臓の障害や尿路の結石症を引き起こし、心筋や脳血管の障害を生じたりします。
原因についても食事ばかりでなく、尿酸の代謝異常や、腎機能低下の場合や腰痛によるもの、ある種の薬剤によるものなどがありますので、医師の指導を受けることが大切です。 〈富士市医師会〉