今や、人生80年時代。高齢化社会は着実に進んでいます。老人保健医療事業はこうした時代に応え、市民の健康の増進と老人福祉の向上を図ることを目的に、各種の事業を行っています。
今号は、「老人保健」の仕組みを紹介しなから、老後に向けた健康づくりを考えてみたいと思います。
知っていますか 老人保健医療制度の仕組み
病気やケガは、予測なしに突然やってくることが多いものです。高齢になればなるほど、医療費の負担は経済的に苦痛となります。
「老人保健」は、お年寄り(70歳以上)が安心して治療が受けられるよう、各種の健康保険加人者と国、県、市が医療費を負担しています。つまり、多くの市民の協力で賄われている制度といえます。ですから、市民一人ひとりの負担を軽くし健やかな老後を送るには、日頃から医療費に関心を持って、その有効利用を心がけること。それと、若い年代からの健康づくりがますます大切になってきます。
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( 図表説明 ) 老人医療費の推移
( 図表説明 ) (老人医療費の拠出割合)
老化は30歳代から始まっています
体の成長は20歳代後でピークに達し、30歳代になると機能は少しずつ衰えていくと言われています。1年間にわずかな割合ですので何年もたってから体力の衰えに気づくケースが多いのです。つまり老化は30歳から始まると言えます。
「老人保健法」は、40歳以上の人を対象としています。市はこの法律に基づき保健婦人センターを中心に、「基本健診」、「がん検診」、「健康相談」など幅広い保健事業を実施しています。また、市独自のものとして、ことし「四十歳総合健診(ミニドック)」という新事業を計画しています。これは40歳を人生80年の折り返し点ととらえ、老後に向けて自分の健康を考える機会にしてもらおうというものです。
中年になると、健康と病気との区別がつきにくく、何となく体が不調だが年のせいかな、それとも…という感じを持つようになります。いつもと違うなと感じたら自分だけで心配せず、まず健康相談や健診を積極的に受けましょう。
自分の健康は自分で…。若い年代からのこの姿勢が、やがて年をとったとき、大きな健康上の差となって表われてきます。
健康は守る時代からつくる時代へ
健康は“守る時代からつくる時代”へ変わってきています。
定期的にトレーニングを続けたら血圧が正常になった。肝障害を毎日の運動で克服した。食事を制限して走ったら糖尿病が治ってしまったなど、運動が病気を予防し改善するのに有効なことは広く知られています。このように若いころからの食事や運動、勉学などの仕方が年をとってからの体の状態に大きな影響を及ぼします。ですからふだん運動をしている人は、何もしていない人に比べ体を容易にコントロールできますし、社会的には、種々の団体に属して活動している人、あるいは何らかの仕事を続けている人は生き生きとしていて老け込みません。
将来健やかに老いるためにも、運動を習慣化する努力をし、規則正しい生活リズムをつくり、余暇を上手に活用して新しい人間関係を生み出すなど、めり張りのあるライフスタイルを築き上げましょう。人生の折り返し点40歳。老後の健康づくりプランに取り組むスタートラインです。
家庭は健康づくりの共同体です
健康づくりの第一歩は現在の生活を見直すことから始まります。そのためには、家族で話し合い、お互いに協力し合うことが大切です。明るい家庭には病人が少ないともいわれます。心豊かな健康生活…。家庭はまさに健康づくりの共何体です。
確実に到来する高齢化社会。私たちは家庭だけでなく、健康づくり共同体としての意識をさらに地域や市全体まで広げていく必要があります。健やかで幸せな老後のため、始めましょうあなたの健康づくり。
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( 写真説明 ) 健康は歩くことから(吉永健康教室の皆さん)
( 写真説明 ) 保健婦人センター 健康に関する情報でいっぱい