前回の化学的な土壤酸度に続いて、今回は物理的な側面からみた土壤環境についてお知らせします。
土の物理的な環境は、上そのものの部分(固相)と水の部分(液相)、そしてすき間の部分(気相)に分けられ、これを「土壤の三相」と呼んでいます。
養分を多く含んでいるほどよい土だと考えている人が意外と多いのですが、実は植物の生育にとってはこの三相のバランスがとれていることのほうが重要なのです。根は常に呼吸をしながら養分を吸収しているため、土には過度な酸素が入りこむすき間(気相・通気性)と水や肥料を蓄えておく力(液相・保水性)が必要になります。
とはいえ、通気性と保水性は相反する性質を持つ上、土の種類にも粘質土のように固相や液相が多く気相の少ないものから、その反対に砂れき土のように気相は多いが液相や固相が少ないものまで様々ですから、単一の土ではなかなか三相のバランスをとるのは難しいものです。そこで園芸用土として使用する場合には、それぞれの欠点を補うように土を配合することが必要です。
下表を参考にしながら、あなたの大切な植物に適した自分だけの「土」をつくり出してみるのも面白いものです。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 注)◎=最適 ○=適 △=不良 ×=非
( 図表説明 ) 2種類の土をまぜる場合は、原土と補助土(現土以外の土)の割合は7対3程度、3種類の場合は同じく5対5程度の比率がよい。