◆土壤酸度◆
−極物を上手に育てるコツ−
植物を栽培するときにまず考えなければならないのは、養分を吸収する根の生活空間、つまり“土”の性質です。とりわけ、土の酸度は植物の生育を大きく左右するものと言えます。
酸度(酸性であるかアルカリ性であるか)をあらわす単位としてpH(ペーハー)が使われますが、この数値が低いほど酸素が強くなります。通常pH4.0以下では植物のほとんどが生育障害を起こすといわれてます。
植物は土壤溶液中に溶け出した天然の微量要素のイオンを栄養分として水分とともに吸収しています。ところが、土の酸度が強まると、各種の元素イオンがお互いに結びついて別の物質を形成したり、また元素によってはイオン化しにくくなるものもあるため、根が微量要素を吸収できなくなり、結果的に栄養不足の状態になるのです。
植物にとって最適な土壌酸度は弱酸性から中性(pH5.0〜7.0)の範囲だと言われています。市販の園芸用土はほとんどがこの範囲におさまっているので植物の育成に問題はないのですが、一度使用した土や化学肥料を多用した土は酸性化が進んでいるため、土壤改良を施す必要があります。
具体的には、酸性を和らげる場合は苦土石灰や炭酸石炭を、その反対にアルカリ性を中和する場合にはピートモスや硫黄華(いおうか)を土に混ぜてやります。最近では、手軽な土壤酸度測定具が市販されているので、酸度の調整が比較的楽になっています。