腹部超音波検査法は、CT(コンピューター断層撮影)検査法とともに、最近の医学では最も急速な進歩を遂げた分野です。
超音波というのは周波数が毎秒2万サイクル以上の音波で、人の耳では聞くことはできません。しかし、固体や液体の中をよく伝わっていき、2つの違った物質の境目で反射したり屈折したりする特性を持っています。
この特徴を利用して体の外から超音波をあて、臓器や異常のある所からの反射をとらえて、ブラウン管上に描き出し、これによって病気を診断しようというのが超音波診断法です。
この検査は注射を必要としないため患者さんは苦痛もなく、またレントゲン検査と違い人体に全く害がないという点で優れた検査法です。
消化器科の病気では、肝蔵、胆のう膵臓(すいぞう)などの胆石病、胆のうポリープ、胆のうがん、肝臓がん、膵臓がん等の検査法として日常診療や人間ドックに用いられています。さらに、これを応用した新しい手技が開発され、閉寒性黄疸(おうだん)の治療が大きく前進しました。
泌尿器科の病気では、腎臓(じんぞう)腫瘍、腎臓結石、水腎症、膀胱(ぼうこう)腫瘍等の診断に用いられています。
産婦人科の領域では、卵巣腫瘍、子宮筋腫、子宮がん及び胎児の診断に使われています。 〈富士市医師会〉