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【広報ふじ昭和63年】川をきれいに

 「川や側溝が汚い、嫌なにおいがして困る」という体験をお持ちの人も多いはずです。これまで川の汚れの原因は、、工場排水であると考えられてきましたが、最近の調査では、河川の汚れの約六割は私たちの日常生活から出る排水によって占められていることがわかってきました。
 そこで、市は生活排水浄化のモデル地区として鷹岡地区を指定し、区長会・婦人会の皆さんが中心となって、9月16日から10月15日まで排水浄化活動に取り組みました。積極的に活動された久沢東の佐野日出子さんの実践例を紹介しながら、家庭でできる生活排水対策をお知らせします。
生ごみを流しません

佐野日出子さん
- 写真あり -

 佐野日出子さんのお宅は、鷹岡中学校南側付近の住宅地。生活排水はめぐりめぐって凡夫川に流れ込んでいます。
 佐野さんは昭和60年に先生を退職してから婦人会で消費生活運動を担当し、きめ細かな排水浄化活動を行っています。
 まず、大きな特徴は流し台。流し台の排水口の下に佐野さん特製のフィルターが取りつけてあります。といってもフィルターとは、古ストッキング。大変小さいごみまで取り除くことができます。フィルターはストッキング一足分で幾つもつくれ、ハイソックスや靴下でも代用できます。三角コーナーで、大きなごみを取るので、排水にはごみがまったく入りません。
 三角コーナーの生ごみは庭に埋めてあるポリプラスチック製の容器に入れ、家庭菜園の堆肥にしています。また、残飯などは犬のえさにすることもあり、生ごみはほとんど出していません。
 もっとも、佐野さんは「食事は残飯が出ない量をつくり、残ったら再調理するなどして、むだにしないことが肝心ですね」とのこと。当然のことのようですが、大切なことです。


油やとぎ汁も有効に

 食用油は、てんぷらの後はいため物などに使います。一番最後に残った油はためておき、年に2回ぐらい石けんづくりに利用します。したがって、油も捨てずにすんでいます。
 米のとぎ汁は、植木にやっていますが、天気の悪い日などはバケツにためておき、上澄みを捨てて量を減らすなどの工夫をしています。
 また、洗濯にはふろの残り水を利用し、洗剤は粉せっけんを使っています。
 佐野さんは先日、洗濯機を買い替えましたが、二槽式にしました。全自動式では、1回の洗濯液で1回しか使えないからです。これは、水の有効利用にもつながっています。


一人ひとりが注意を

 佐野さんは、今回、生活排水浄化のモデル地区となってから、凡夫川を意識して見て歩きました。
 「川の水量が少ないので、一部には入浴剤の入った水がよどんでいたり、ごみも多く、かなり汚れているのに気がつきました。下水道を早く引いてもらうのが一番ですけど、一人ひとりがちょっとした注意で随分きれいになると思います」と語ってくれました。


できることから挑戦を

 以上、佐野さんの生活排水浄化の工夫を紹介しましたが、各家庭の住宅環境などにより、なかなか同じようにできないかと思います。
 市は今回の実践活動を行うに当たり、鷹岡地区の各家庭に、三角コーナーに入れる水切り袋と浄化のための対策資料を配布しました。
 皆さんもできることから挑戦してみませんか。

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( 写真説明 ) 田宿川のたらい流し川祭り(8月)
( 写真説明 ) 佐野さんちの生ごみは…
( 写真説明 ) 強化期間に行われた水質検査
( 写真説明 ) 油は直接流さない

田宿川にニジマスを放流

中山章さん(市場町・69歳)
- 写真あり -

 今泉の田宿川といえば、昭和40年代は公害と生活廃水でヘドロの川でした。
 それが、最近は公害の防止と下水道の普及、そして川の周辺六町内でつくる河川委員会の皆さんの河川美化活動により、清流をとり戻しつつあります。8月には、たらい流し川祭りが行われるなど、親しみのある水辺空間となってきています。
 中山さんは、そんな田宿川が富士宮市の神田川のように、たくさん魚のいる川にならないかと考え、4年前から個人的に、二ジマスやヤマメを放流してきました。その数は、大小合わせて延べ4,000匹を数えます。
 最初に放流したときは、子供たちに釣られてしまいましたが、「子供たちが喜ぶ姿を見るのも悪くなかった」と言います。
 2・3年前にはアユの遡上が確認され、ことしは一昨年放流したマスも見ることができました。中山さんは「田宿川はきれいになったとはいえ、空き缶などは、まだ結構あります。魚が多く住むことで人々の関心が高まり、より一層きれいになれば…」と語ってくれました。

- 写真あり -
( 写真説明 ) 10月2日、約250匹のニジマスを放流
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