尿路結石症とは、尿の通り道に石ができる病気で、その部位によって腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と言います。
我が国での尿路結石症の患者さんは、人口1,000人当たり0.5〜1.0人と推定されていますが、富士市では、3.3人で全国平均の3倍以上、また静岡県は高知県、香川県に次いで3番目の尿路結石多発県です。
腎、尿管結石は30〜40歳代に多く、膀胱、尿道結石は排尿困難の出現しやすい60〜70歳代の高齢者に多くみられます。この病気は圧倒的に男性に多く、女性の3倍です。
主な症状は、激しい痛みと血尿です。時に頻(ひん)尿、排尿痛などの膀胱炎症状も認められます。
治療としては、痛みの発作を起こしたときに痛み止めの注射などを行う対症療法と、もう一つは、自然に石が出ることを促進させることです。1.0×0.6センチメートル以下の大きさの結石は、80%以上自然に出る可能性があり、水分摂取、薬の服用、積極的運勤で排石を促します。
小さな結石でも腎機能を障害したり、痛みの発作が頻繁にあるような場合は、手術の適応となります。
手術方法には開腹して直接結石を取り出す方法や、内視鏡を使って結石を砕いて取る方法、また最近では体外から衝撃波を使って結石を砕く方法などもあり、開腹手術をしないで結石を砕き摘出する方法が主流になっています。
尿路結石の予防に決定的な方法はありませんが、水分を多くとって尿量をふやすことが予防につながります。 <富士市医師会>