丘地区の傘木(からかさぎ)にちょうど傘を開いたような木があります。昔、ここを通った源頼朝が傘がわりに雨宿りしたところといわれ、地名の由来になっています。
大きな木に雨宿り
鎌倉時代、源頼朝は富士山の裾野で巻き狩り(けものを四方から取り巻さ、捕らえる)をよく行いました。
巻き狩りの途中、大勢の家来を連れた頼朝が、ある村落に入ると空がにわかに曇って、雨が降ってきました。
たまたま近くに大きな木があり頼朝はその木の下に駆けこみました。からかさのように枝を広げた木は、雨宿りするにはちょうどよい木でした。
頼朝が命名
頼朝は通りかかった、年寄りに、
「この村の名は、何と言うのか」
と尋ねました。年寄りは、
「いまだに村の名前はついていません」
と答えました。すると頼朝は、
「この木はからかさのかわりになってくれた。村の名をからかさ木としたらどうじゃ」
と言いました。
老人は早速村人に話して、村の名をからかさ木村と呼ぶようにしました。
ロマンを感じるね
望月忠男さん
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からかさ木を管理する望月忠男さん(65歳)は「昭和41年の台風26号で、先代の木が倒れてしまい、今の木は先代の根元から生えてさた四代目です。木はタブの木で、自然にからかさのようになっています。この木のそばを頼朝が通ったと考えるとロマンを感じるね。伝法の1万歩コースになり、最近は訪れる人も多いよ」と語ってくれまた。
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( 写真説明 ) 現在のからかさ木