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【広報ふじ昭和63年】安心で生きがいのある老後を

ひとり暮らし老人緊急通報システム・高齢者介護ホーム・在宅老人ディサービスなどで在宅福祉に力点を置いた新規事業

 市の65歳以上の人口は、8月1日現在で、1万9,930人。これは市の総人口の9%に当たり、高齢化社会はこれからますます進んでいきます。
 市は、こうした状況に対応するため、毎年、民生児童委員の協力をいただき老人調査を行うなどして実態を把握し、よりきめ細かな福祉施策を展開していきます。今回は本年度実施するひとり暮らし老人緊急通報システム、在宅老人ディサービス、高齢者介護ホームについて紹介します。

進む高齢化社会に きめ細かな福祉を

 老齢人口(65歳以上)が人口の7%を超えると、「高齢化した社会」といわれます。富士市は既にこのラインを突破し、8月1日現在で老齢人口は1万9,930、市の人口の9%となっています。
 これからお年寄りはますますふえ、ふじ21世紀プランでは、富士市の昭和70年の老齢人口比を11.3%と見込んでいます。


要援護老人がふえる

 また、7月1日現在で実施された昭和63年度の老人調査の結果は別表のとおりです。ひとり暮らし老人が728人、ねたきり老人が277人、老人世帯が656世帯、痴呆老人が64人となっています。ねたきり老人のみが減少しましたが、ねたきり老人は変動が多いことを考えれば、一概に減少傾向にあるとはいえません。総体的には何らかの援護を要するお年寄りがふえていると考えられます。
 そこで、市はこれまで以上にきめ細やかな福祉施策を進めています。昭和63年度は新たにひとり暮らし老人緊急通報システム設置事業、在宅老人ディサービス事業、高齢者介護ホーム設置事業を行います。

緊急通報システム 非常時に即応体制

 病弱なひとり暮らし老人(65歳以上)には、日常生活上さまざまな不安があります。体の異常はもちろん、火災・ガス漏れなどは周囲の人も心配になります。
 そこで、民間のホームセキュリティシステムを導入し、24時間中、緊急事態に対応できる体制を整えました。
 これは、ひとり暮らしのお年寄りの家に、火災やガス漏れセンサーなどを設置し、異常時には自動通報するシステムです。


救急ボタンで自動通報

 また、お年寄り自身には救急ボタンのついたペンダントがあり、非常時にこのボタンを押せば、やはり自動通報されます。
 8月11・12日に当面13世帯に設置され、これから年度内に計20世帯に設置されます。
 費用負担は、生活保護を受けている世帯や低所得世帯は無料、その他の世帯は月900円です。

- 写真あり -
( 写真説明 ) 緊急通報システムの送受信機

在宅老人ディサービス 虚弱老人に各種サービス

 ゲートボールや趣味の活動など健康なお年寄りの活動は.ふえていますが、虚弱な老人は家に閉じ込もりがちになります。また、介護する家族の負担も大きなものがあります。
 そこで、虚弱な老人の心身機能を維持向上させ、社会的孤独感の解消を図り、家族の負担軽減を目的とするのがディサービス事業です。
 サービスの内容は生活指導や日常動作訓練、血圧測定などの健康チェック、入浴、給食、家族介護教室などです。
岩本園に併設します
 ディサービスセンターは岩本山中腹の特別養護老人ホーム岩本園に併設され、業務委託します。
 利用者には送迎もあります。登録人員は120人で、週1・2回、一日に15〜20人が利用できます。利用料は一日700円です。
 現在、建築工事を行っており、64年1月から事業開始予定です。

高齢者介護ホーム 通所により介護

 高齢者介護ホームは在宅で介護を受けているお年寄りを、通所により介護者にかわってお世話するところです。
 お年寄りの孤独感の解消と自立的生活の助長を図り、介護者の身体的・精神的な労苦を軽減することを目的としています。
 サービスは生活介助が主で、利用者の状況により、機能回復訓練や食事・入浴サービスを行います。


ボランティアセンター跡地に建設

 設置場所は中央町の旧ボランティアセンター跡地で、特別養護老人ホーム富士楽寿園に事業委託します。
 登録人員は20人、月曜日〜土曜日に一日10人を定員にして行われます。利用料は一日700円です。事業開始は、ディサービス同様、来年1月ごろを予定しています。
 ひとり暮らし老人緊急通報システム、老人ディサービス、高齢者介護ホームのお問い合わせは福祉課へ 内線 2318

- 写真あり -
( 写真説明 ) 工事が進むディサービスセンター

- 図表あり -
( 図表説明 ) 老人調査集計表(7月1日現在)




《 市民の声 》

高齢化は多くの人の問題

平井重晴さん (民生委員・天間東・62歳)
- 写真あり -

 これまで老人福祉といえば、昔の養老院のイメージで、一部の人の問題という感じがありました。でも、最近は高齢化社会の進行とともに、多くの人の問題になり、どう長生きするかが課題となってきています。今度できる、いわゆる託老所のような高齢者介護ホームは、いまの幼稚園や保育園のように、各校区ごと必要となるかもしれません。また、高齢者の働く場の確保や余暇活動の多様化なども考えなくてはならない問題です。これまでの枠を超えた、きめ細かな施策を期待します。


つえで歩けるようになった

前田美恵子さん(本市場・76歳)
- 写真あり -

 現在、岩本園へ週1・2回通って訓練しています。転んで一時は寝たきりになりましたが、今はつえをついて歩けるようになりました。
 家にばかりいると、どうしても気分がめいってしまうので、とてもよい気分転換になっています。これから、訓練の内容が充実するそうなので楽しみにしています。


大変心強いわ

柴田治子さん(73歳)
- 写真あり -

 早速、緊急通報システムをつけてもらいました。
 ひとり暮らしで一番心配なのは、突然の体の変調です。
 また、年をとると、ふだんから火元に注意していても、「つい、うっかり」ということがあります。実際にこの装置のお世話になるようじゃ困るけど、大変心強いわ。
添付ファイル
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
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