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【広報ふじ昭和63年】歩こうわが町再発見!!

=健康づくりと史跡めぐり= 一万歩コース

 健康づくりの第一歩は歩くことです。少し太り過ぎで悩んでいるあなた、一番身近なダイエット法を御存知ですか。それは歩くことです。今、あなたの町に1万歩コースが整備されつつあります。コースを歩けば町の片隅に静かに眠っている史跡や人との出会いがあります。
 今号では、まず2つのコースを紹介します。1万歩であなたの健康と町の再発見。
“さあ歩きましょう”


気軽なダイエット法

 現代は、正にモータリゼーションの世の中。乗物の発達によって人間は足を使う機会が少なくなってしまいました。加えて流通機構や情報網の発達で、私たちは自分の住んでいる町さえもあまり歩かなくなっています。
 体力は足から衰えます。歩くことを怠ると人間の寿命と最も深い関係のある動脈硬化を促進します。歩くことで血行をよくし、足の筋力を高め、ひいてはそれが老人ぼけをも予防するのです。つまり歩くことそれ自体が運動であり、健康づくりの原点なのです。
 もう一つ歩くことで効果が期待できるものがあります。それは肥満の防止に役立つということです。気軽なダイエット法として、最近注目されています。


なぜ1万歩なのか

 現代日本人の食生活は、今や飽食の時代とも言われ、カロリーのとり過ぎからくる肥満が問題となっています。この肥満は、高血圧、糖尿病、心臓病などの成人病と合併しやすく、死亡率も高いのです。
 私たちは一日約300カロリー余分にとり過ぎていると言われ、1万歩が目安とされるのは、カロリー燃焼の計算から、1万歩がほぼ300カロリー分に匹敵するからです。ちなみに、マイカー通勤のサラリーマンで一日約3,000歩、よく歩く主婦で6,000歩ぐらい歩くとされています。


あなたのの町で新しい発見

 休日などに、コースを歩いてみましょう。思いがけないものや懐かしいものとの出会いがあるはずです。子どものころ遊んだ路地裏、祖父母に言われるままに拝んだ石塔やお堂など、私たちが生まれるずっと以前から町に溶けこみ、静かに人々の暮らしを見守ってきた史跡や文化財が多くあります。その場にたたずめば、先人の鼓動が聞こえてきそうです。
 また、四季の草花との出会い、そしてなによりうれしいのは、道々出会う人たちとのふれあいでしょう。きっと新しい発見があるはずです。歩く健康づくりは、ふれあいづくりでもあるのです。


スタートは公民館から

 現在、伝法と今泉のコースが完成し、吉永地区も近日中に完成子定です。また、他の数か所の地区でも整備の声が上がっています。
 コースは公民館を基点とした周回コースで、各ポイントに案内板が立ててあります。距離は平均6〜7キロメートルで所要時間は1時間半、それぞれに地区の特色を織り込んだモデル的なコースです。これらのコースを中心に、家族や仲間と健康やふれあいの輪を広げましょう。



土の道が喜ばれますね。
伝法地区健康推進員 大塚伸子さん
- 写真あり -

 毎月第1日曜日の朝、伝法コースを30人ぐらいで歩きます。お年寄りや婦人、それに小学生も参加します。7キロメートルの行程を2二時間かけてゆっくり、史跡を見たり、おしゃべりしながら歩きます。お年寄は子供たちとの会話を楽しみにしていますね。
 最近では、自分たちでコースを作って歩くこともあります。田のあぜ道や川の土手など、土の道が喜ばれますね。



今度は妻も参加します
(伝法) 野口 勝さん一家
- 写真あり -

 千葉から転勤で富士市に来て1年になります。富士山は間近に見えるし、おいしい水は飲める。施設も立派で大変満足しています。
 ただ、こちらには知人がいませんので町を知る手だてがなく困っていたところ、1万歩コースを知り、さっそく娘と参加しました。町の歴史や人を知ることができ大助かりです。今度、新しいコースも完成したそうですので妻も加えて3人で歩こうと思います。

伝法ふる里コース

- 図表あり -
( 図表説明 ) 伝法ふる里コース
◎コース(行程約7Km)

 伝法公民館―愛馬の碑―保寿寺―虎御前腰掛石―からかさ木―傘木浅間神社―広見公園―大原古墳―かんかん堂―六所浅間神社―伊勢塚古墳―伝法公民館


★コースの主な案内

保寿寺(ほうじゅじ)
 寺の建立時期は明らかではありませんが、以前は前田村にあったといわれ、芝源(しばげん)和尚の三股淵(いけにえ淵)の毒蛇退治は余りにも有名です。毒蛇のうろこは今も寺宝になっています。また子安地蔵は虫封じの「虫地蔵」として親しまれています。

虎御前腰掛石(とらごぜんこしかけいし)
 建久4年(1193)5月、富士の巻狩で曽我十郎・五郎の兄弟は父のかたき工藤祐経を討ちとりましたが、十郎は討たれ、五郎は捕らえられ鷹ヶ丘で切られました。
 十郎の恋人虎御前はそれを聞き、悲しみのあまり腰をおろした石が腰掛石で、たもとに掛かる橋はがっかり橋といわれています。

伊勢塚古墳(いせづかこふん)
 玄龍寺境内にあって、およそ1,500年前につくられた、直径54メートル、高さ8メートルの大型円墳です。
 墳丘の表面は石で覆われ、古墳の周りには、幅8メートル・深50センチメートルの周濠が巡っています。県東部では最大の円墳で、県の文化財に指定されています。

- 写真あり -
( 写真説明 ) 茶畑の小道
( 写真説明 ) 三股淵の毒蛇で知られる保寿寺

今泉善徳寺コース

- 図表あり -
( 図表説明 ) 今泉善徳寺コース

◎コース(行程約5.5Km)
 今泉公民館―セギワク―義盛さん―子安地蔵尊―源太坂―桜地蔵尊―十王子神社―善徳寺跡―清岩寺凹岩―呼子板―道仙地蔵尊―今泉公民館


★コースの主な案内

呼子坂(よびこざか)
 世に有名な富士川の合戦のあった治承(じしょう)4年(1180)10月、 源氏の軍勢20万の主力が、このあたりに陣をしき、軍兵を呼子の笛で集めたところから、呼子坂と名づけられたといいます。

源太坂(げんたざか)
 富士川の合戦から4年後の寿永(じゅえい)3年(1184)、木曽義仲追討の源氏の軍勢がこのあたりに差しかかったとき、武将梶原源太景季と佐々木四郎高綱が名馬、生月(いけづき)、磨墨(するすみ)をめぐって、あわや血の雨を降らそうとした所だと伝えられています。

善徳寺跡(ぜんとくじあと)
 善徳寺は、大勲策禅師(たいくんさくぜんじ)の開山で後に今川氏の管寺となり、天文23年(1554)には、有名な武田、今川、北条の三将会盟がこの寺で開かれました。しかし永禄12年(1569)武田信玄に焼かれ、今は歴代の墓碑だけが残っています。

- 写真あり -
( 写真説明 ) 清岩寺から呼子坂へ
( 写真説明 ) すてきな蔵を発見!
( 写真説明 ) 墓碑だけが残る善徳寺
添付ファイル
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