影山信義さん一家(岩本〕
岩本山公園近くの茶畑の一角に、銀色に光る六棟のハウスが目に入ります。これが日本で初めてのハイテクトマト団地。今回は家族でトマトをつくっている、この団地の組合長影山信義さん一家におじゃましました。
ハウスに一歩入ると人の背丈より成長したトマトがズラリ。あたりには忘れかけていたトマトのにおいが立ち込めています。
このハウスがハイテクと呼ばれる理由は、苗床にロックウールという建築材を使用した養液栽培であることと、空調や養液管理をコンピューターで行っていることです。信義さんは昭和37年に全国に先がけ礫耕(れきこう)栽培に取り組み、60年からロックウール栽培に挑戦しました。そうした26年間のデータをもとに、コンピューターのプログラムをつくりました。しかし、農業は自然が相手。コンピューターといえども万能ではありません。「トマトに話しかけ、人間の力で20%の補正が必要だね」と達人の境地を語ります。
長男の浩信さんは短大で農業を学びましたが、「授業よりレベルの高い農業を実践していた」家業に迷わずつきました。
また、信義さんが「私の分身」というのが奥さんのしず子さん。養液栽培を陰で支え、家事を受け持ってきました。今は家事は長女早苗さんが引き受けています。影山さんちの楽しみな話題は、浩信さんのお嫁さん。やっぱり、トマトの好きな女性がぴったりなんでしょうね。
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( 写真説明 ) 左から信義さん、浩信さん、しず子さん、早苗さん